＊トラ子のための妄想短編集＊ (ページ39)

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＊Genta.M＊ページ39

元太side

二学期に入って、

というか、このクラスになって初めて、

Aが休んだ。

学校ではそんなに関わらないから、

表情には出さないけど。

女「元太ー、今日放課後暇？」

元太「俺今日暇じゃないわー」

女「なんでよー」

元太「塾」

あからさまな嘘をついて、

元太「せんせ？今日おれ、頭痛いから早退してもいい？？」

保健室の先生に頼んで早退する。

保健室の先生とは前に色々あったんで←

Aの家は、毎日送ってってるから

慣れたもの。

インターホンを鳴らすと、

「えっ...松田くん？」

元太「あ、お前大丈夫なの？」

「いや、まぁ」

元太「親は？」

「今日仕事なの」

元太「なに、風邪でも引いた？」

「そんなとこ」

おでこには冷えピタを貼っていて、

女の子らしい部屋着をきているA。

元太「熱は下がったの？」

「うん、」

これ、家上がってもいいのかな。

「せっかく来てくれたし、家あがる...？？」

「部屋汚いけど...」

元太「いいの？」

ということで

元太「お、部屋綺麗じゃん」

「そう？笑」

元太「てかさ、色々買ってきたけど食べる？？」

「え、何買ってきてくれたの？」

プリンと、栄養ドリンクと、ビタミン剤と、

りんごと、ぶどうと、スポドリと、水と、、、

「こんなに...笑」

元太「いいだろ、別に。心配だったの。」

「.../////」

ちょっとした言葉に、

照れてるAがかわいくて、

元太「はい、あーん」

ベッドに座ったままのAに

プリンをあげる。

「.....おいし」

元太「でしょ」

「餌付けされてるみたい」

元太「いいじゃん、」

「もー...」

ねぇ、ほんとかわいすぎるよ。

元太「俺さ」

「なに？」

元太「風邪ひいて休んだ子の家に訪問するのとか初めてだわ」

「...」

元太「早退してまでして、心配したことなんか無かった」

おれさ、もしかして、

今からAに告ろうとしてる？

元太「好き」

初めて、真面目に、本気で

伝えたその言葉は

「松田くん...」

元太「もしよかったら、俺と付き合ってくれたりとか...」

「それ本気にしてもいいの？？」

元太「疑うなよ」

彼女に、

「お願いします」

ちゃんと届いたみたいだ。