↓ ページ38
A視点
武田と家康の間に入り、旗を拾う。
『まずそもそもだが旗は靴を磨くためにあるものではない。旗は掲げるものだ。それでも靴を磨きたいのだと言うならば持参でタオルか何かを持ってこい』
吾は旗を綺麗に畳みながらそう言った。
『それに明智に当たるのもやめた方がよいぞ。その様な事を繰り返していればいずれ罰があたる。』
家康「貴様、ゴミの味方をするのか」
味方、か。
『吾はどちらの味方でもない。武田や明智、無論家康そなたの味方もな。ただ間違っていると思うものを止めるだけ。自分の感情に吾は素直なのだ』
誰かの味方になるつもりなんて一切ない。
間違った事をすれば勿論秀吉だろうど誰であろうと歯向かう。
そう生きていたものでな。
家康「ふん、また助けられたか」
武田は覚束無い足取りで松葉杖を持ちどこかへ行ってしまった。
ーーー
ー
放課後。
あの後武田は帰ってこなかった。
しかし旗をいつ届けようか。
信長「A」
『なんだ信長。吾はいまどうするか…って腕を引っ張るな！！』
片手に風林火山の旗を持ち、片手で我の腕を引っ張る。
流石は男子なだけあり痛い。
そのまま信長が向かったのは屋上だった。
屋上の建物の影に武田はいた。
ずっとそんな所におったのか。
武田「笑いに来たか」
信長「笑う？」
武田「これを笑わずして何を笑うんだ。俺はもう、日陰の道を歩くしかねぇんだ」
はて、一体何のことを言っておるのかこやつは。
信長「1度の敗北が、全ての敗北か？此処に日陰の文字はないはずだ」
旗を広げ、そう言う家康同様旗を落とし去っていく。
『武田』
武田「なんだ」
『道に日陰も日向もないだろうに。もしあったとすればそれは今そなたが日陰にいるからではないか？日向の道を歩きたければ日向に行き、陽を浴びればよかろう』
武田「お前、本気で言ってるか？」
『吾は至って本気だ』
逆にネタで言うはずがないだろう。
というか、何故その様な驚いた顔をする。
『…まあいい。吾が言いたいのはそれだ。最後に1つだけ言うとすれば、そなたはそんな事で挫ける男ではない…と言うことだな』
吐き捨てるように言い、吾もその場を後にする。
階段の所まで行けば信長が待っていた。
信長「貴様あんな事が言えたんだな」
『悪いか？』
信長「いや、面白かった」
何故面白がるか分からないが…。
まぁいい。
その後寄り道すると言った信長につられ、吾と信長は鶏小屋へと足を進めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 243人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さら - このお話も凄く大好きです！！上杉くん推しにして欲しいです！！上杉くんのお話少ないで！！いつも更新楽しみにしてます！！ (2022年9月7日 0時) (
レス) @page11 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
琉闇(プロフ) - 可愛い、！！夢主ちゃん可愛い！神だぁ、 (2022年8月29日 5時) (レス) @page22 id: e6fba14b0d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆう - とっても面白いです！ (2022年8月24日 7時) (レス) @page10 id: 34f774734d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
