◆ ページ45
.
『 どれだけ周りの人に樹が悪く言われてようと
樹が違うって言うなら違うもん。それだけは言える 』
いつの間にか日が沈んできて、Aの横顔が
少しずつ夕日に照らされているの見て息を呑んだ。
時が止まったような感覚がした。
周りの音や、風、時の流れが感じられなくなる。
まるでAって言う世界に閉じ込められたみたいな。
だけど、嫌な気はしなかった。
むしろ、このままずっとここに居たい。そう思った。
『 まぁ…そう言ってもねぇ…って、泣いてる？大丈夫？』
田中「 ん…っ、見ないでっ、」
今まで誰にも相談出来なかった俺。
自分は強い、強くなきゃいけないって思っていても
心は、心底辛くて今にも泣き叫びたかったんだ。
どれだけ強がっても、心は正直で。
気づいた時には、涙が留まることを知らずに流れ出る。
◇
俺の気が済むまで、ずーーっと背中を摩り続けてくれる
Aの手から、温かさがジワリと体に伝わった。
人間ってこんなに暖かいんだ。
冷えきっていたはずの心が
どんどん、ジワジワと、温かさを取り戻していく。
田中「 っ…ありがと、」
『 いいよ。全然。感謝されるような事してないから 』
田中「 Aがいてくれて、ほんとっ…よかった 」
『 そう思って貰えて、私も良かった。
…あ、私もうちょい練習して帰るけど、…樹も、やる？』
この誘いを断ったら、ダメだって思った。
田中「 やる 」
『 っし、じゃあ行こーっ！』
なんとなくだけど。置いてかれる。
そう本能的に、直感的に思った。
なんでかは未だに分からないけど、
Aと同じ事をして、同じ時間を共有したかったのかな。
少し前を行くAの後ろ姿は
華奢なのに、どこか頼もしかったのを今でも覚えてる。
◇
『 あのーー…樹？』
田中「 ん？？」
『 凄い…近くない？あとガン見しすぎ 』
田中「 ちょっと昔の事思い出してたの 」
『 なに昔の事って 』
田中「 俺が男としての覚悟を固めた日の事 」
『 なんだそれ 』
田中「 Aはいいんだよー知らなくてっ！」
守られるんじゃなくて
守りたい。
男としての覚悟を決めた日。
男としてのケジメをつけた日。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1959人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
M!u(プロフ) - まいまいさん» 題名のことですか？それとも作品の中ですか？中なら、ロゼのソロ曲もありますね (2021年9月14日 14時) (
レス) id: 65c135ea74 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - M!uさん» 今はSTAYに変わってますけど、最初の頃はonthegroundでした。 (2021年9月14日 7時) (レス) id: 0f9c2d94c6 (このIDを非表示/違反報告)
M!u(プロフ) - まいまいさん» ロゼの曲じゃなくて、普通にBLACKPINKちゃん達の曲ですよ (2021年9月14日 0時) (レス) id: 65c135ea74 (このIDを非表示/違反報告)
まんごー(プロフ) - いつも楽しく拝見しております。菊池風磨さんとのお話を読んでみたいな、と思っておりますので可能であればお願い致します！ (2021年6月2日 21時) (レス) id: d23096449e (このIDを非表示/違反報告)
Coco(プロフ) - こちょの体調不良のおはなしみたいです、メンバーからバッチバチに心配されて、かついつも以上に過保護になってほしいです… (2021年6月2日 21時) (レス) id: af769e5929 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：TEDDY
| 作成日時：2021年5月16日 13時
