この恋は狂ってる。【黒】【男主】

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水紀side



普通にちょっと寝坊した。いつもは早く仕事場に着いてるけど、今日は遅め。




いつも通り楽屋について、部屋に入る。



「…………おはよ、」



そしていつも通り挨拶をする。他のメンバーはにっこにこで返してくれるのに対して、


Aは俺の横をスっと通り過ぎて行った。








は？なんで？意味わかんないんだけど。普通無視する？顔も合わせずにさ。


浦「あれ、Aどうしたんだろ」


町「トイレじゃね？」



多分この感じ、俺以外にはちゃんと普通に接してる。
また俺の事避けてんの？
手紙は？手紙は俺の仕業じゃないし。




まぁとりあえず、向こうの様子を見るしかないか、









そこからの撮影は、普段通りのAだった。普通に絡むし話すし。
まぁさすがに、持たせてもらってる冠番組の収録だし。気まずい空気流れてたらそれこそファンも心配するし。


その辺はプロなんだな、と改めて思う。






ス「じゃあ撮影は以上になりまーす！ありがとうございました！」



そんな声と共に、俺らはスタッフさんや共演者さんに挨拶をしながらスタジオを出るところ。


　

『……ぁ、俺スタッフさんに、呼ばれてるからあとから行くね、！』




なんて言って俺らから離れていった。絶対嘘、呼ばれてなんかない。
嘘つくとき、誰とも目を合わせないから。









楽屋に戻ると、他のメンバーは次の仕事があるから！と言って超特急で出ていった。




俺もそろそろ帰ろうとしていた所で、悩みの元凶が楽屋に戻ってきた。



『……っぁ、』



俺の顔を見て気まずそうに顔を逸らしたあと、自分の荷物が置いてあるところに足早に行き、帰ろうとする。




「おい、ちょっと待てよ、」




手首を掴む。と、びっくりしたような顔をしたあと、俺の手を振り払おうとする。



『や、やめてよ、』




その間も一向に目を合わせない。流石にイラッとして、思いっきりAの顔を掴んでこちらを向かせる。


「お前、なんで目合わせねぇの？」



『な、なんでもないからっ……』



「なんでもなくねぇだろ、」



『なんでもないよっ！！』




そう言って、俺の体を思いっきり押す。めちゃくちゃダサいけど、思いっきり尻もちをついた。



『水紀は、俺に関わっちゃだめなの、』



そんな意味のわからないことを口にする。





「なに、俺の事嫌いなの？」






長い沈黙があったあと、小さく口を開いた。





『………………きら、ぃ、』
　
　

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