この恋は狂ってる。【黒】【男主】

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Aside



『ちょ、ねぇっ、どこ行くのっ……！』



目黒くんと別れるなり、水紀に思いっきり手を引っ張られている。ズカズカと進んでいく水紀に必死について行く。



誰も使ってないような部屋にそのまま入る。




『どうしたのっ、？』



そう聞くと、水紀は見たこともないような冷たい目で俺を見た。怖い、と初めて思った。



屋「今日朝、電話でホテルいるっつったよな」



『う、うん』



屋「あいつといたの？」



あいつ？目黒くんのこと？



『……目黒くん？』



屋「そりゃそうでしょ、今さっきまで一緒に居たじゃん」



目黒くんと一緒にいて、何を怒る必要があるの？水紀はなんで怒ってるの？


屋「一緒にホテルに泊まった？」



『…………うん、』



そう正直に応えると、勢いよく壁に押し付けられた。手首を抑えられていて、痛い。



『み、みずきっ……痛いよ、』



屋「お前じゃあヤったの？」



『や、やるってなにを、』



屋「セッ○ス」



そんなのやるわけないよ。付き合ってもないのに、まず男同士なのに。なんで水紀はそんなこと聞くの？



『そんなのしてないよ、』



屋「じゃあ何してたんだよ」



『飲みに行って、潰れた俺を介抱してくれてただけだよ、』





　
目黒くんが善意でやってくれたことなのに。なんでそんな敵対視する必要があるの？



屋「お前危機感なさすぎなんだよ」



『いたい、いたいよ、水紀、』






危機感？そんなのいらないじゃん。目黒くんが俺になにかすると思って、言ってる？
手首を抑える力が強すぎて痛い。



「何もされてないならいいけど」



『そ、そんなのされるわけないよ、』
『目黒くんは、こんな俺とも仲良くしてくれるくらい、優しくていい人だから、』





　
「何お前、あいつのこと庇ってんの？」



水紀が何に対して怒ってるのかわからない。どうしたらいいのかも分からない。怖い、こんなの水紀じゃない。



『な、なんで怒ってるの、』



「…………別に怒ってねぇけど」



『庇うって何、？俺そんなつもりじゃないのに、』



「じゃあ何で、あいつとは話せるんだよ」





……確かに言われてみれば。俺は普段、共演者の人に話しかけられても、上手く話せないし、目も合わせられない。

でも目黒くんとは、話せるし目も合わせられる。
それが何故かはわかんないけど、



『そんなの、わかんないよ、』




そう言って、水紀の方を見ると、少し悲しそうな顔をしていた。






　
　

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