純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ7)

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「あ、はる」

「あれ、A。どこ行ってたの？」

田中くんが教室に入るのと、はるが戻ってきたタイミングが重なった。

「あ、この子がはるちゃん？」

「そう。
はる、慎ちゃんと大我の友達の田中くん」

「おぉ…よろしくね」

「ん、よろしく。じゃあまたあとでね」

軽く挨拶だけして田中くんは教室に入って行った。

「…あとで？」

「あ、慎ちゃんからの連絡見てない？
カラオケ誘われてさ、私とはるも一緒にどうって」

「Aは行くの？」

「はるが行くなら」

「んー…なんか、今日は気分じゃないかも(笑)」

なんとなく引きつった顔のはる。

男子苦手なのかなって思っていたけど、クラスの男子とは全然普通に話してるし、もしかしたらはるは慎ちゃん達のことあんまり好きじゃないのかも。

田中くんの事も紹介しない方が良かったかな。

「そっか！じゃあ今日はやめよっか」

「あ！Aさ、甘いもの好き？」

「大好き！」

「…そっか。駅前にできたケーキ屋さん、今日までの割引券あるから良ければ2人でどう？」

慎ちゃんの誘い断るのに2人で出掛けるのはどうなんだろう…

はるが2人で遊びたいって言ってて…なんて言うのはちょっと印象悪いし、かといってはるの誘いを断るのもなー…

まぁ、バレないか。
バレたとしても向こうとは約束していた訳では無いしね。

「うん、行きたい！」

「やった！じゃあ放課後行こ」

「わーい！デートデートっ」

「本当可愛いなAは〜」

午後の授業が始まる前に慎ちゃんに断りの連絡を入れてスマホの電源を落とした。