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*
「お待たせ」
「ありがとう大我」
荷物を渡してから、
家まで持ってあげたらカッコついたかも、なんて思うあたりやっぱり俺って毎回ダサい。
「お母さん今日は?」
「夜勤だよ」
「なんか食べて帰る?」
「大我がいいなら」
どうしてもラーメンが食べたい気分で、女の子(仮にも好きな子)をラーメンに連れて行くなんてどうなのかも一瞬考えたけど
「ラーメン大好き!」
なんて言うもんだから、めちゃくちゃ美味しいラーメン屋を紹介した。
「美味しかったー」
「ね、腹いっぱい」
「帰ろっか」
学校の最寄り、というよりAの最寄り駅から3つ離れた駅。
ラーメン屋は駅から10分くらいの所にあって、食べ終わった今、駅までまた歩いて向かっている。
「ここ曲がって真っ直ぐ行けば俺ん家なんだ」
「そうなの?!え、全然送って貰わなくて大丈夫だから帰りなよ!」
しまった。
そりゃあそうなるわ。
「危ないから。ほら、もう8時過ぎてるし」
「いや、すぐだから」
「もう、言わなきゃ良かった」
「逆に言わなかったらどこまで送る気だったの?」
「そりゃ家までだよ」
「言ってくれて良かったー」
なんて安堵のため息をつくA。
いや全然良くないんだけどね?
普通にこの時間に女の子1人で帰すっていうのもあれだし、なんならまだ一緒にいたい。
というか、断然後者の気持ちの方が強い。
「じゃあ、今日は色々と本当にありがとう。」
″ 色々と ″
ラーメンを食べてちょっと忘れていたけど、Aの一言で今日の出来事全てがフラッシュバックした。
「あーやっぱりダメ、送る」
「えぇ…」
「隙だらけだもん」
「そんなに…?」
「…じゃあ、」
「まだ一緒にいたいから、って理由じゃ悪い?」
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まいやん(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しみに読ませていただいています!これからもご自身のペースで頑張ってください! (2022年8月8日 17時) (レス) id: 9a00c406d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぇ | 作成日時:2022年8月1日 19時