純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ25)

今日:9 hit、昨日:40 hit、合計:76,190 hit

25 ページ25

*

「あれ、はるは？」

「逆に聞きたいんだけど、一緒にいないの珍しいね」

教室に戻るとはるの姿はなかった。
代わりに私の2つ後ろの席の由美ちゃんが話しかけてきた。

はるの荷物はあるみたいだけど、どこに行ってるんだろ。

「やめろって近藤、こいつら朝から喧嘩してたんだから(笑)」

「喧嘩って…まぁ、喧嘩…か」

「喧嘩？」

大して話した事のない男子に茶化されて少し嫌な気持ち。
…あそこまでヒートアップしてたら無理はないか。

「うん、色々あって」

「どうせ一方的に怒られたとかそんな感じでしょ？」

「えっ」

「ははーん、図星ね。やっぱりね。
そろそろくると思ってた(笑)」

図星。

否定も肯定もしない私を見て由美ちゃんはそう捉えたようで。
まぁ、あながち間違いではないけども…

「そろそろってどういう事？」

ほぼ一方的に怒られたどうこうはともかく、″そろそろ″の意味が理解出来なかった。

「はるってそういう子なの。」

そういう子。

何かを知っているのであろう由美ちゃんは、実ははると同じ中学校出身だ。

きっと中学の頃にも似たような事があったのかも。

「A、はるとは今のうちに離れておいた方がいいと思う。割とガチで」

「え？」

由美ちゃんははると仲良いはずなのに、どうしてそんな事言うんだろう。

何言ってんの？なんて思ったけど、由美ちゃんは決してからかっている訳でもなく、真剣な眼差しで私を見ていた。

「今はいいかもしれないけど、いつか絶対その時が来るよ。
幸せにはならない、お互いにね」

「…何か知ってるの？」

「これ以上は言えないけど、忠告。」

「じゃ、授業始まるから」
と、私の頭をポンポンと叩き由美ちゃんは自分の席に戻って行った。

気付けば昼休み。
午前中の授業は1つも集中出来なかった。