純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ15)

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「大我？」

どうしよう、いくらなんでもお金貸してなんて格好つかないし、かと言って歩いて帰るなんて言えばAに気を遣わせてしまう。

ここは正直に言うしかないのか。

「A、本当にごめん。
俺今日学校に財布忘れてお金払えなくてさ、カラオケも慎太郎達に奢ってもらってて…
明日絶対返すからタクシー代貸してもらえたりしないかな…」

本当情けない。
ましてはA相手だし、最悪すぎる。

「私今日はると遊んだ時にほとんど使っちゃって1000円しか残ってない……足りないよね、絶対」

終わった。

「ごめん、本当ごめん！！」

「いや、謝んないでまじで。Aは悪くないから」

俺これからまた濡れて帰るのか…
このびちょ濡れの制服を持って、びちょ濡れの靴を履いて…

さっき確認した教科書類は辛うじてまだ湿った程度だったけど、きっと今から外に出て家に着く頃には浸水間違いなしだ。
それはどうにかして避けたい。

とりあえず明日までに制服が乾くわけないだろうから、ジャージをまたカバンにしまって濡れた制服を着て帰ろう。

「A、傘だけ貸してくれない？
あとあれば大きめのカバンが入るくらいのビニール袋も欲しい……何から何まで本当に申し訳ないんだけど」

「ねぇ大我、」

「ん？」

「嫌じゃなければ、泊まっていけば…？」