純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ9)

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「あれ。慎ちゃんとカラオケは？」

「さっきまでいたよ。
俺今トイレ行っててさ、多分あいつらどっかに逃げてる(笑)」

あいつらってことは、多分田中くん達も一緒なのかな。

「逃げてる？」

「そ、俺らでよくやるの。
1人どっか行ってる隙に隠れたり逃げたりすんの」

だから1人なんだ。

「楽しいけどターゲットになった時は超ダルい」

なんて言いつつも、心当たりあるような場所を考えてる大我。

「くだんないでしょ(笑)」

「楽しそうじゃん(笑)」

「Aも一緒に探す？」

「えー？」

放っておくという選択肢は無いのが彼ららしいというか。
男子高校生って感じ。

「そういえばなんでカラオケ来なかったの？」

話が逸れたかと思えば痛いところをついてきた大我。

「んー、今日はカラオケの気分じゃなかった…かも」

「…そう。
ごめん、誘ってみよって言ったの俺なんだよね」

「いやこっちこそごめんね、また今度良ければ行こうよ」

「うん、行こう。」

なんかすごいわがままみたいになってて申し訳ない。
まぁでもはるの事言って何かあっても悪いから。仕方ないけど。

「てかさ、工藤って俺らのこともしかして嫌いだったりする？」

「え、なんで？！」

「なんか避けられてない？俺ら。てか俺だけかもしれないけど。」

そう感じてるのはどうやら私だけではなかったみたい。

そりゃ第三者の私から見てもそう見えてるんだもん、本人達も感じてるに決まってるか。

とはいえ、私だってそう感じているだけで本人に聞いた事あるわけではないから分からない。

「うーん、分からないなぁ」

「そういう話になったりはしないの？」

「しないね」

腑に落ちない顔の大我。

「まぁ俺は別にいいんだけどね。
慎太郎がちょっと気にしてるかも。俺らも話した訳じゃないけど、多分慎太郎も気付いてるからさ」

「そっか」

仮にはるに聞いてみたところで、私はどうすることができるんだろう。
本当に苦手だったとしても本人達に伝えるのは違うだろうし。

大我達との関わりを減らすにしても、ちょっと寂しい気もする。

「多分、大丈夫だと思うよ。」

「考えすぎって事にしておくわ」

「うん」

「家近いの？」

「まぁ？最寄り駅ここだから」

「ふぅん、ちょっと待ってね」