純愛スクランブル【Taiga.K】 (ページ27)

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「じゃあAっていつもは弁当手作りしてるんだ」

「うん、お父さんは中学から居ないしお母さんも夜勤が多いからさ。夜ご飯もよく作る」

「へぇ、すごいね」

「そんな事ないよ」

たった数秒の沈黙でも心が苦しくなった。

工藤と仲直りしてる様子のないAは見るからに元気がなくて、元気付けたいけどどうしていいか分からない。

いつも通り接する事しかできない。

「寂しくなる事とかないの？」

「まぁ、たまに？(笑)」

それにしても本当に同じ高校1年生なのかってくらいAはしっかりしてる。

こんな完璧な子、いるもんなんだな。
ここまで綺麗だと欠点までも長所になるのかもしれない。

「寂しくなったら電話かけていいよ」

「ふは、まぁ気が向いたらね(笑)」

「えぇ、かけてよ。」

「何話すのさ」

最近思った事は、多分Aは鈍感だ。

俺、奥手なりに結構攻めてる気がしてたんだけど、Aからしたら所詮男友達から冗談言われてる感覚にすぎないんだろうなと節々で感じる。

「なんなら呼んでくれたら飛んで行くし、まじで(笑)」

もはや数打ちゃ当たる戦法。
少しでも好意が伝わればラッキーみたいな感じ。

「分かったって。まずそんな事ないけど(笑)」

そう言って笑うAの顔を盗み見ると、やっぱり浮かない表情。

こういう時ってどうすりゃいいの。
聞いちゃっていいの？
しつこいと思われない？

ここに来て恋愛経験の浅さが仇となる。

「ねぇ大我、」