154話 ページ4
*
「美味しかったです、また来るね」
「また来てくださいっ」
いつきちゃんのお店は、家族で切り盛りしているカフェで最近開店したばかりらしい。
そしていつきちゃんは私が新人の時代のファンで、舞台にも番協にも来てれるようなファンだったみたい。
ちゃっかりSNSでいつもメッセージを送ってくれているアカウントも教えてくれて、今度からは気にして見てみようなんて思ったり。
あと、落ち着いたらSNSでお店を宣伝する事も約束した。
日が落ちてきたし帰ろう。
帰って、スマホを見て、ちゃんと連絡返そう。
望くんにも連絡して謝ろう。
大我くんにも。
・
時間が時間という事もあって、駅が混んでいた。
万が一バレた時が怖いから。
やむを得ずタクシーで帰ることに。
夕飯の買い物もしたくて、最寄りの1つ手前の駅前で降ろしてもらった。
別に降ろしてもらうのはスーパーの前でも良かったし、なんならもっと近所のコンビニとかでも良かった。
けど、今日は少しでも外にいたいから。
謎の遠回り。
「…たまには自分を褒めちぎろーうーぜ〜」
大好きな曲を口ずさみながら帰る夜道。
なんか孤独感すごいな。
ただ、今日1日1人でいただけなのに。
寂しくなる隙を与えない程に大我くんがいたし、仮に寂しい時には翔太がいたし。
私の事を好きでいてくれる望くんもいた。
依存してるのは私だ。
「はぁ…」
最寄り駅について、自分の家まであと少し。
「どこ行ってたの」
後ろから聞き慣れた声がして、でもいつもとは全然違う声色で思わず振り返る。
いつもの柔らかい雰囲気とは違っても、
変装をしていても、
すぐに分かる。
「……大我、くん」
2438人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「渡辺翔太」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はくちょう(プロフ) - 更新待ってます! (2022年7月23日 17時) (レス) id: 007ad90f8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぴぇ | 作成日時:2022年7月4日 1時