58話 ページ10
*
今までは機会がなくて2人で長い時間話すなんてしたことなかったけど、昨日今日と沢山話して気付いたのは多分北斗とは馬が合う気がする。
決して高くはないテンションに話の上手さ
話は聞く方が好きな私には丁度いい口数の多さ
居心地が良い。
また、クールそうに見えて全然そうでも無いところがミソ。
あと、樹や花ちゃんの甘やかし集団とは違って
北斗は話の節々に
｢タコ助｣
｢お前調子乗るんじゃぁないよ｣
｢小賢しい」
と、私が言われたことのない言葉を投げかけたり、普段されない雑な扱いをしてきたり。
なにより独特なワードセンス。
いちいち面白くてすぐツボに入ってしまう。
｢そんなに笑うか？｣
と言いつつ自分だって笑っちゃってる。
｢うん、北斗と話すの本当に楽しい｣
｢調子狂うこと言うなよ｣
満更でもない顔して、やっぱり犬みたい。
・
｢そういえば京本と上手くいってないらしいじゃん、なんで昨日嘘ついたんだよ」
急に話が逸れたと思えば、とんでもな事を耳にしてしまった。
｢何の話！？｣
″ そういえば ″という事は何かを聞いたのだろうか。
いや、でも心当たりがない。
心当たりがないとはいえ、そんな話を聞いてしまうと不安になってきた。
｢昨日、Aが寝た後に京本がなんか言ってたんだよな。なんだったかなぁ」
思い当たる節。
私が寝た後。
もしかして……？
なんて思っていると
｢っくふ、ははは！そんな顔に出ることある？そんな焦ってるA初めてみたわ。
ごめん、かまかけた」
｢はい？！｣
爆笑している北斗に対して私はポカンとしてるだろう。
意味が分からない。騙されたってこと？
なんの為に…？
｢ごめんって、そんなぶっさいくな顔すんなよ。
でもその反応は心当たりあるんだ。｣
｢ぶっさいく……｣
｢それは冗談｣
かまかけた、って
つまり大我くんから何か聞いたって言うのは嘘？
でもそれならどうして急にそんな話題？
本当にたまたま私をいじろうとしてってだけだったのかな、もう考えても考えてもわからない。
とにかくあんな話、絶対人には言えない。
｢ちなみに言っておくけど、俺結構口硬いよ｣
｢いや、言えない｣
｢心当たりあることにはもう否定しない感じね｣
絶対に言えない、から……
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hinata - すごく面白いです 更新楽しみにしてます (2021年5月29日 16時) (
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作者名：ぴぇ | 作成日時：2021年5月29日 15時
