そろそろ、いいですか2 【Taiga.K】 (ページ8)

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56話ページ8

*

｢じゃ、俺もそろそろ寝るわ｣

そう言って、Aが眠る部屋へ向かう。

彼氏持ちの女と、一緒に寝る訳では無いが、同じ部屋で2人きりというのは正直気が引けるし
俺が京本の立場だったら絶対嫌だけど
ここは俺らのメンツの仲の良さに免じて気にしない振り。

部屋に入ると端の方で寝息を立てて眠るA。

昔好きだったとか、仲良いからとか、そういう贔屓目なしにAは綺麗な顔をしてる。

さらに美容に対しての意識が強いという努力もあることを知ると、より一層魅力的に見えるかもしれない。

魔が差した。
と言えば許されるかな。

カシャ

綺麗に眠るAをカメラに収め、遠くなく近すぎずの場所に横になり、眠りについた。

・

カシャ

カメラの音が聞こえて目が覚めた。
どうやらAがみんなの写真を撮っていたようだ。

盗撮かよ。笑

なんて、昨晩の自分のことは棚に置く訳にもいかず、気付かないふり。

二度寝しようとも考えたが、なんとなく、眠る気にもなれずAに挨拶をした。

｢おはよう、早起きだね｣

話すにしても他の奴らを起こす訳にもいかず

｢起きる？｣

そう聞くと、Aは頷いて
こっそり外に出ることにした。

｢化粧とったら急に幼いな」

顔を洗い終わって、化粧水をつけるAはもちろん完全にスッピンで
幼いな、なんて思わず声に出してしまった。
すると、少し困ったように

｢そうかな。そんなに変わる？｣

と、視線を合わせずに笑みを浮かべていた。
なるほど、あんまり触れられたくない感じか。

｢あんまり変わんないと思うけどね｣

なんて、意味があるのかないのか分からない程度のフォロー。

小腹もすいたし、誰も起きて来ないし
散歩がてらコンビニへ行くことにした。