そろそろ、いいですか2 【Taiga.K】 (ページ49)

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98話ページ49

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｢きす、したい｣

Aは俯いたまま呟いた。

初めてだった。
Aから、″ したい ″と言ってきたのは。

この子は状況がわかっているのだろうか。

さっきまで気まずかった原因はわかっているのだろうか。

家には2人きり。

俺はAとしたい、気持ちがあって

Aも俺とするのは嫌じゃなくて

クリスマス、

冬休み、

春休み。

あの雰囲気を経験してきて、今ここでキスをするということは、

そういう事になる。

｢……A、本気？｣

今度は俺がAの顔を覗き込む。

｢…うん｣

聞いたことないくらい細い声で、頷いた。

｢本当にいいの？｣

｢いいよ｣

そう言って顔を上げて、目を瞑るA。

俺はAの頭を撫でて、おでこにキスをした。

｢…え｣

｢なぁに、期待した？｣

目を開けてポカンと、するA。

｢ふふ、病人に手出すほど馬鹿じゃないよ？｣

また、頭を撫でるとAは｢そっか｣と俺に抱き着いてきた。

抱きしめ返すと Aは少しだけ汗ばんでいて、そんなになるかって笑ってしまいそうになるくらい心臓がうるさくて
緊張していたのが伝わってきた。

それがまた愛おしい。

｢A、大好きだよ｣

｢私も｣

そろそろ、いいですか。