97話 ページ48
*
｢……ごめんね、昨日からAの様子おかしい気がしてて、どうしても気になっちゃって
樹に無理矢理問い詰めたんだよね｣
無理矢理問い詰めた、訳じゃないけど。
樹が悪いみたいな言い方はしたくないから仕方ない。
同じ方向を見ながら隣に体育座りで座るA。
こじんまりしてて、可愛い。
こんな時にまでこんなこと考えてる俺は脳天気なのかもしれない。
人1人分くらいの距離。
近付きたいけど、行けなくてむず痒い。
｢……聞いたんだ｣
俯いているけど、一気に顔が赤くなるのが分かった。
｢聞いた…というか、逆に聴いたんだ……って感じ、だよね｣
尋常じゃない程に気まずい空気が流れてていて、思わず笑ってしまう。
｢…聞きました｣
｢こっち見て｣
そう言うとAは時間を置いてから、ゆっくり、控えめに覗き込むようにこっちを見た。
｢ふふ、A可愛い｣
｢今言う？｣
｢だって本当に思ったんだもん｣
あ、また笑ってくれた。
頭を撫でるとまた顔が赤くなって、可愛い。
｢隣、おいでよ｣
｢もう隣にいるよ｣
｢んー、揚げ足取っちゃうの？｣
近くにおいでって、言わなくても分かるはずなのに。Aは小悪魔ちゃんだ。
大人しく俺から少し、近付いてみる。
するとAは俺の肩に頭をもたれかけてきた。
｢今日は素直じゃないのね｣
｢そんなことないよ｣
そう言って笑うA。
｢ねぇ、大我くん｣
｢ん？｣
｢きす、したい｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1476人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
hinata - すごく面白いです 更新楽しみにしてます (2021年5月29日 16時) (
レス) id: ad3093d701 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴぇ | 作成日時：2021年5月29日 15時
