そろそろ、いいですか2 【Taiga.K】 (ページ5)

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52話ページ5

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｢大我くん起きて～｣

隣に寝っ転がって顔を近づけると

｢ひっかかった～！｣

と、大我くんが満足そうに私にハグしてきた。
しっかり引っかかった私にご満悦みたい。

｢びっくりしすぎて心臓バクバク…。｣

｢確かめていいー？｣

なんて言って、悪い笑顔で私の胸元へ手を当てる大我くん。

本人は冗談みたいな気持ちなんだろうけど、
私は″今までのこと″を思い出しちゃって、

大我くんは心臓の音を聞こうとしてるだけ。

わかってるけど。

｢…そんな顔しないでよ｣

そう言って、笑う大我くん。
大我くんだって顔赤いのに。
そんな顔するならしないでよ。

″ そろそろ、いいんじゃない？ ″

なんて、ふっかが余計なこと言うから。
気にしないようにしていた、今であったことが蘇る。

去年のクリスマス。

冬休みの大我くんのお家でのデート。

春休み最後の日。

大我くんはきっと、いや間違いなく、″ そういうこと ″をしようとしていた。

そして、私も大我くんなら、と思っていた。

ただ、3回ともそれが行われることはなくて

大我くんは気にしているのか。

気にしているのは私だけなのか。

こんな破廉恥な話、のんちゃんにはできないし
共通の友達である花ちゃんや樹に話すなんて以ての外。

相談できる人はいないし、そもそも相談するような内容でもないだろうし。

どう思っているんだろう、大我くんは。

｢大我くん」

名前を呼ぶと

｢ん？なぁに？｣

いつもそんな普通に笑わないのに
ゆっくり目を細めて微笑む大我くんはきっと確信犯。

｢好きだよ｣

と、普段私はからは言わないけど言ってみた。
すると大我くんは

｢キスしよっか」

そう言うとすぐに私の口を塞いだ。
短いキスを1回。

｢ふふ、外にみんないるのに、なんか悪いことしてるみたい

もっかいしよ｣

なんて、また悪い笑顔を浮かべてる。

もう一度、キスをしようとしたその時

｢大我～、片付けって明日でいい…

って、ごめ……！！｣

部屋に入ろうとした瞬間、私と大我くんを見るなり慌てて出ていく慎太郎くん。

｢あーーー、最悪……｣

気まずそうに笑う大我くんと恥ずかしすぎて何も言えない私。
しばらくして、

｢じゃあ、俺戻るね。おやすみ｣

と、私の頭を撫でてみんなの元へ戻った大我くん。
私は暫く眠れなかった。