83話 ページ34
*
「うん、もしもね?」
完全に樹の押しに負けた私は樹に話すことにした。
これは樹の良い所でもあって、悪い所でもあるよね。
押しに弱いのも知っててやってるから。
優しさなんだろうけども。
「もしも、キスとか……その、それ以上の、いい雰囲気?みたいなのになって、でもそれ以上のことはしなくて、そういう時って普通そのあとどうなる?
ってごめん、何言ってるかわからないよね……」
「うん、大丈夫だよ。
なに、結構悩んでんじゃん」
こんなにごちゃごちゃな文章でも理解してくれる樹、すごすぎる。
理解してくれてるのかわからないけど。
「……そうなのかも」
「どうなるって、逆にAはどうなりたいの?」
質問を質問で返すタイプね。
「どうなりたいって…。わかんない」
「そのまま進んでも嫌じゃない?」
「嫌じゃ、ない」
樹は笑っているけど、どんどん表情が険しくなる。
わかんないのも、嫌じゃないのも全部本音。
気持ちが曖昧で申し訳なくなる。
相談を持ちかけたのは私じゃないけど。
「なんか、思ってこととかあるの?」
「思ってること……」
1つ、思い浮かぶのは
「なんか、こういうこと考えてるの私だけなのかなって。
だとしたら私がすごい変態みたいじゃない?向こうは全く意識してないのに。」
結局ここまで話しちゃった。
きっと察しがいい樹じゃなくても、この話が ″もしも″ の話じゃないことくらいわかる。
「そっかぁ」
聞いといてそれですか、となるような反応だけど、遠くを見つめて何か考えてる様子の樹。
こちらを向いたかと思えば、少しにやけている樹。
樹の目線は私、ではなく私の奥の大我くん。
「Aにいいこと教えてあげる」
「……なに?」
「きょもも同じことで悩んでるよ。ものすごくね?」
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hinata - すごく面白いです 更新楽しみにしてます (2021年5月29日 16時) (レス) id: ad3093d701 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぇ | 作成日時:2021年5月29日 15時