71話 ページ23
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次第に2人きりの時間が増えて、
気付けば会話で困る事は一切無くなったし、無言の時間も気まずくなくなったし
隣に座る時はピッタリくっついているのが当たり前、それくらい仲良くなっていた。
「のんちゃんが1番落ち着く」
なんて、Aがよく言うもんやから。
思春期真っ只中で彼女の1人や2人…
できてもすぐに別れるのがオチやった。
「休み全然ないのに、休みすら私に時間割いてくれないの?」
別れた女の子全員に言われた言葉。
しゃあないやん、家には俺を待ってる女の子がおるんやから。
そんなん、口が裂けても言えへんかったけど。
「ただいま」と帰れば「おかえり」と必ずお出迎えがあって
「ただいま」と聞こえれば「おかえり」と必ずお出迎え。
こんな家族、あんまりおらへんよな。
ましてや従兄弟同士。
いつの間にか、いなくてはならない存在になっていた。
たった1年2年の付き合いで、昔から一緒にいたかのような安心感があって
こう思っているのは俺だけなんかなぁ?
「彼氏と別れた」
でた、またそれや。何回目やねん。
「私といてもつまらないんだって」
でたでた、また。
なんやそいつ。しばいたろか。
お互いの恋愛事情も全部知ってる。
中学の頃は何回、Aのこんな話を聞いたか覚えていない。
1つ1つ覚えている方が無理がある。
中3では誰とも付き合ってないらしいけど。
高校生になった俺とA。
俺の学校はエスカレーター式でそのまま進級、Aは地元の1番近い高校生に通い始めた。
同じ高校が良かったけど、仕事上仕方ない。
そして、そんなAにも久しぶりに彼氏ができた。
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hinata - すごく面白いです 更新楽しみにしてます (2021年5月29日 16時) (レス) id: ad3093d701 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴぇ | 作成日時:2021年5月29日 15時