68話 ページ20
*
｢いや…｣
ワケあり、なのかな…？
というかお母さん、息子さんのこんな話。
普通そんなに興味津々になるんですか…。
｢ははーん。わかった〜。
大我、″遅い人″？｣
″ 遅い人 ″…？
知識が浅い私には未知の言葉だった。
｢あ、いやそうじゃなくて……｣
｢もしかして下手？！｣
｢そうじゃなくて〜！というか、してないですっ｣
大我くんのお母さんは目を見開いて驚いて
数秒沈黙。
少し経ってからようやく言葉を発した。
｢付き合ってもう1年経つ高校生カップルよね……？｣
｢は、はい｣
｢…可愛い〜っ！純愛！どんだけピュアなのよ〜！｣
大我くんのお母さんと話すのは楽しい
けど、テンションについて行くのが少し難しい。
｢私がそのくらいの頃なんて…｣
と、語り出す大我くんのお母さんは
なかなかのプレイガールだったらしい。笑
今の旦那さんとお付き合いしてからは一切無くなったみたいだけど。
｢いいわね〜。若い頃は遊んでなんぼって思ってたけど、私もそんな恋愛してみたかったわ｣
｢ふふ、しようと思ってしてる訳じゃないんですけどね｣
｢尚更すごいわよ、今どきの子なのに〜。
してみたいな〜とか、願望はないの？｣
大我くんのお母さんはちょくちょく、ぶっ飛んだことを聞いてくる。
本当に純粋に気になっているんだろうけど、私が親だったら息子のこんな話聞きたくないかもしれない…。
｢…分からないです。｣
｢Aちゃんも、大我も未経験ってことよね…？｣
ちょっと心配そうな大我くんのお母さん。
たしかに、最近は付き合っていなくてもそういうことをする人も少なくはないから。
｢た、多分。｣
大我くんに限ってそういうのはないと思うから多分。
｢そっか〜｣
大我くんのお母さんは楽しそうに微笑んで、キッチンの方を見つめていた。
そして、今度は私の方を見て
｢Aちゃん、これからも大我のことよろしくね。
なんかあったらいつでもうちにおいで！何でもお話聞くからね！｣
そう言って頭を撫でてくれた。
｢はい、ありがとうございますっ｣
丁度、洗い物を終わらせた大我くんが戻ってきて、変なこと話してないよね？とでも言いたげな不安そうな表情。
多分、大我くんが思っているような 変なこと は話しちゃってるから秘密にしておこう…。
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hinata - すごく面白いです 更新楽しみにしてます (2021年5月29日 16時) (
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作者名：ぴぇ | 作成日時：2021年5月29日 15時
