そろそろ、いいですか2 【Taiga.K】 (ページ15)

今日:7 hit、昨日:12 hit、合計:304,774 hit

63話ページ15

*

私は、私を撫でている大我くんの手に自分の手を重ねた。

｢ふふ、本当に優しい人だよね。

だからこそ、あそこまでして貰ったからこそ、中途半端じゃ絶対ダメだなって思って

ふっかとはお友達って割り切ってるの。

向こうは好きでいてくれてたみたいだけどね、それも中学生の話だし、今はむしろ私たちのこと応援してくれてる。｣

｢そっか｣

｢本当に好きになったのは大我くんが初めて｣

｢…知ってる｣

不満そうな顔だったのに、すぐに口角が上がる大我くんは単純で可愛い。笑

ふだんあまり愛情表現を口に出さないせいか、私がこういう事を口にすると大我くんは大抵すぐに機嫌が良くなる。

ずるみたいだけど、今回はやむを得ない…。

｢2人で話してたの、嫌だったよね。ごめんね｣

｢嫌って言うか…俺束縛はしたくないし…。元カレつて聞いてからはちょっと、びっくりしたって言うか｣

さっきまであんなに素直だったのに、いざ謝ると強がり初めちゃう。
私も人の事言えないけど、大我くんはすぐに顔に出るからわかりやすい。

｢……でも？本当は？｣

できるだけ、優しい声で問いかける。

すると、私の頬を両手で挟んでぶちゅ～っと潰しながら

｢も～～～！当たり前じゃんーっ。はいはい場所交代、Aが膝枕してー。｣

こうしてまた私が膝枕している状態になって、大我くんは

｢撫でて｣

｢もっと｣

｢愛情が足りない！｣

わがままお坊ちゃんと化した。

言われるがままにしていると、満足そうに笑っているので問題なさそう。

私はいつからこんなに大我くんの扱い上手になったんだろう？

｢A、大好きだよ｣

｢ありがとう、私も｣

こうして、私達はお菓子を食べたりのんびり過ごした。

この後聞いた話によると、私の過去の話は大我くんとふっか、2人きりで話したみたいで
この話を知っているのは2人と花ちゃんの3人だけらしい。