106話 雄英を転校 ページ9
『待っ、待ってよ、母さん!!
話が違う!昨日は「賛成」だって、言ってたじゃない!』
ガタリと立ち上がって言う音風に「考えたのよ」と有希子は言う
「私も、優ちゃんも、でも、嫌なの
音風は“個性”のせいで、友達を一度失いました
でも、頑張ってここまで来て…音風はオールマイトさんに憧れていました
でも、雄英に入ってから音風は敵と会って、体を傷つけていってるんです
“個性”の関係上仕方ないかもしれません
でも、病気で倒れた時だって、音風はいつも自分を大切にしなかった
知ってますか?音風の頭に脳腫瘍があったのを
もし再発すれば、音風はヒーローを目指すことができなくなるんです
先日の戦い、テレビで拝見しました
私も優ちゃんも新一も…1人の一般市民として、とても感謝しています
でも、親として知り合いとして怖かった
憧れを抱いたヒーローがあんな風に戦っているなら、それをかっこいいと思った音風があなたと同じ道を歩んでしまうんじゃないかと
“個性”が発現してからこの子は友達を傷つけた後、ずっと家にこもりっきりでした
自分を閉ざしたり、ずっと家の図書室で本を静かに1人で寂しく読んでいるだけでした
幼い頃にあなたと会って、ヒーローを目指していたあの子が、あの時だけヒーローになりたくないと言ったんです
でも、ゼロくんや涼太くん達に出会ってまたヒーローを目指すようになって、体を壊して、敵に遭遇してボロボロになって
この子が…ヒーローを目指したくないと言ったあの時点で、ヒーローというものをこの子から遠ざければよかったと後悔しました
ヒーローから遠ざければ、この子は幸せだったんじゃないかって、この子が敬愛するホームズを目指して探偵を目指している方が、良かったんじゃないかって、私も優作も思ったんです」
『母さん!! 父さん!!』
自分の夢をここで絶たれてしまうのか、音風は反論した
『私、ヒーローになりたいの!
新一やみんなを守るかっこよくて強いヒーローに!
なりたいの!母さん、言ったじゃない!
私が頑張ってヒーローを目指してるのが、一番嬉しいって!』
「音風」
『!』
静かな低い声に、音風はゆっくりと優作の方に顔を向けた
「確かに、私も有希子も応援はするが、それは心配じゃないってことだ
お前が私が書いた小説に、私が集めてきた小説に夢中になって読んでいたあの小さな頃が、私も有希子も…懐かしいんだ」
19人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月乃派 - ゼロ君のオチもお願いします (2021年12月18日 15時) (レス) @page24 id: 2fabf89436 (このIDを非表示/違反報告)
サッカーバカ(プロフ) - iqqvyuuさん» ありがとうございます! (2019年2月20日 23時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
iqqvyuu(プロフ) - 凄く良かったです!続き頑張って下さい (2019年2月20日 21時) (レス) id: 8690baa923 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年2月20日 0時