探偵の姉はゼロを目指すヒーロー8 (ページ14)

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「今日もオールマイトが説得に行っているが、OKの返事はもらえていないそうだ
今後、工藤が本当に転校するのかは置いといて、お前たちは“仮免”取得に向けて動く

以上！さっ！中に入るぞ、元気に行こう」

((いや、待って。行けないです…))

暗くなるA組
爆豪は音風のこともショックだが、切島を見た

「来い」

「え？何、やだ」

ぐいと上鳴を茂みに連れ込む
すると、一気に放電された

「うェ～～い…」

ウェーイ状態の上鳴が出てきた

「バフォッ」

「何？爆豪、何を……」

「切島」

「んあ？」

声をかけられた切島は、爆豪に向き直る
と、スッとお金を差し出された
この流れでいうと、カツアゲである

「え、怖っ。何、カツアゲ!?」

「違え、俺が下ろした金だ！いつまでもしみったれられっと、こっちも気分悪ィんだ」

と、5万円を差し出された切島は暗視鏡が頭によぎった

「あ…え!? おめー、どこで聞い…」

「いつもみてーに、馬鹿晒せや」

上鳴のウェーイで笑いが起きる
爆豪はそのままお金を押し付けると歩いていく

「……。……わりィな」

「ああ、切島」

「へ？」

「工藤から受け取ったものだ。お前にだそうだ」

「え？」

茶封筒を受け取った切島は、それを開けて中を見る

「お金ぇ!!?」

と、中から白い紙が出てきた

「ん？手紙？」

カサ…と広げてみれば

切島くん、クラスのみんなへ

あの晩、救けに来てくれてありがとうございました
とっても嬉しかったです

いつも優しくて頼りがいがあって、男気のある切島くんは、私の大事な友達です

爆豪くんと私を救けるために暗視鏡を買ったっと、八百万さんから聞きました

本当にありがとうございました

これ、暗視鏡のお金です
これで好きなもの買ってください

相澤先生から聞かされたと思うけど、私は雄英を転校することになりました

アメリカでヒーロー科のある学校に通って、そこでヒーローになるつもりです

場所と学校は違えど、みんなと同じヒーローになれると思って、頑張って行くつもりです

みんなと過ごした時間は短かったけど、とても楽しかったです

ありがとうございました

工藤音風より

「工藤…本気で、転校するのか」

手紙を読み上げた切島に、相澤は「言っとくが」と呟く

「その手紙の内容そのまま全てが、工藤の思いだと思うなよ」

「「？」」