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「数秒、“意味”を考えたよ
一括送信で位置情報だけ送ってきたから
意味なくそういうことする奴じゃねぇからな、工藤は」
轟が構えたのを見たステインは、すぐに体勢を変えた
「“ピンチだから応援呼べ”って事だろ」
パキパキと地面に氷を這わせる
「大丈夫だ、数分もすりゃ」
緑谷「!!」
「プロも到着する」
氷で緑谷とヒーローを回収し、炎でステインに攻撃をする轟
「あっち!」
「うぉっ」
「わっだっ」
『冷たっ!』
溶けた氷の水を少し被った音風は、髪をかきあげた
「情報通りのナリだな。こいつらは殺させねえぞ、ヒーロー殺し」
『え、めちゃくちゃカッコいいんですけど』
ステインは黙ったまま轟を見つめる
「轟くん、そいつに血ィ見せちゃダメだ!
多分、血の経口摂取で相手の自由を奪う!工藤さん以外皆やられた!」
「それで刃物か。俺と工藤なら距離保ったまま…」
と言った矢先、轟は音風に突き飛ばされた
「っ…!」
『っつ…!』
頬にナイフがかすった音風は血を少し流した
「良い友人を持ったじゃないか、インゲニウム」
(しまっ…)
音風の頬の血を見た轟は、すぐに音風の横に氷を張らした
ステインは上をチラッと見る
音風もそれにつられて上を見てみると
『ナイフと同時に刀投げて…!』
それに気を取られた瞬間、音風の服が掴まれステインの元まで引き寄せられた
頬に流れた血を舐めようとするステインに、轟は音風のコスチュームの裾を思いっきり引っ張り、自分の方へ引き寄せた
『キャッ!』
「チッ」
『し、焦くん…』
「大丈夫か?」
『う、うん』
音風の肩を支えながら立ち上がる轟は、氷をステインに向ける
(一つ一つの動きが二択三択を迫ってくる、強え)
音風は舐めれる箇所でないので、頬を拭う
血は少し止まるが、それでも傷は残る
氷や炎で勝てなくなってきた轟に、音風はブツッと手首を噛んだ
パキパキッ、と刀を作り出した
「ホォー?血を武器に変えれる“個性”か」
『まあ、そんなところかしら』
ガキィン、と刀同士がぶつかり合う
ステインに斬りつけられそうになれば、飛び退き轟に攻撃を任せたりする
そんな2人に飯田は体を震わせた
「何故…3人とも…何故だ…やめてくれよ…
兄さんの名を継いだんだ、僕がやらなきゃ、そいつは僕が…」
恨みに支配された飯田に轟と音風が背中越しに言う
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年2月9日 21時