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65-2 ページ17

「もうすでに輸血しなければ助からない状態なんだ!!! だから、麻酔銃が必要なんだ」

医者がそう叫ぶと同時に子どもの声が聞こえる

「姉ちゃん!!!」

「し、新一くん!!?」

息を切らせながら自分たちの前に現れた小さな少年

「姉ちゃん、大丈夫だよ!」

『フーッ…!!!』

新一が一歩、一歩、ゆっくりと近づいていく

「新一くん!!!」

「おい、危ねぇぞ!!!」

「大丈夫だよ、姉ちゃん」


ギュ


『!』

新一が優しく音風を抱きしめた

「姉ちゃん、大丈夫だよ。オレだよ、新一」

『……』

暴れなくなり、瞳孔も落ち着いていく
暴れなくなった音風に一同が驚く

「姉ちゃん」

『しん、ちゃん』

「「!!?」」

新一の胸の中で小さく呟いた後、音風は牙をむき出した

「姉ちゃん」


ガブッ


「っつ…!」

「新一くん!!!」

「新一!」


ジュル ジュル


(姉ちゃん…オレだってわかってても、フラッシュなんだ
血が足りてない)


ゴクッ!


(え?普通なら、もっと飲むのに…)

新一が驚いていると頭に優しく温かいものが当たる

『バカね…フラッシュの時はあれだけ近付くなって…言ったのに…』

「姉、ちゃん?」

『約束ぐらい、ちゃんと守りなさいよ?新一』

「姉ちゃん!!!」

と、優しく微笑む音風だが『あ、いや…』と頭を抱える

『抱きつくの待った。まだ頭ガンガンするし、傷口痛いの…』

「わっ、ご、ごめん!」

音風から離れ、新一はあわあわとする

『すみません。病室こんなにしちゃって』

「いえ、急いで輸血を持ってきますので、少々お待ちください」

『はい』

新一は音風の近くに座り込み、離れようとしない

『新一、一旦外に「やだ」え?』

「去年みたいに…先生に怒られる」

『……藍沢先生に?』

「藍沢先生、さっき怒ってたよ」

『……』

サァーッと青ざめていると、ガシッと頭を掴まれる

「おい、音風」

(ヒィー!)

「今回も大変良い朝を迎えたな」

『も、もうお昼…「説教だな」あー、ごめんなさぁい!!!』

「謝れば許すと思ってるのか!!?」

『イダダダダ!!! ギチギチ言ってる!!! 頭カチ割れるって!!!』

音風の頭を鷲掴みしているのは、藍沢…音風の主治医だ

「お前たちも病室に戻れ」

そんな様子を見ていた轟達に藍沢はそれだけ伝えると、音風をベッドに思い切り寝かせた

65-3→←65話 フラッシュ



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年2月9日 21時

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