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64話 ハンドクラッシャー ページ14

「おおォ、起きてるな怪我人共!」

「グラントリノ」

「マニュアルさん…!」

と、病室に入ってきたのは緑谷と飯田の体験先のヒーロー2人だった

「凄い…グチグチ言いたい…が」

「っ…す…?」

と、緑谷はその後ろにいる相手を見て固まる

「その前に来客だぜ。保須警察署所長面構犬嗣さんだ」

「面構!! 署…署長!?」

「かけたままで結構だワン」

ヌゥッと現れたのは犬の顔をした署長だった

「キミたちがヒーロー殺しを仕留めた、雄英生徒だワンね」

(署長がわざわざ…何だ?)

(ワン…!!)

語尾が気になる緑谷

「ヒーロー殺しだが…火傷に骨折となかなかの重症で現在治療中だワン」

それを聞いた3人は顔を引き締めた

「超常黎明期…警察は統率と規格を重要視し、“個性”を“武”に用いない事とした

そしてヒーローはその“穴”を埋める形で台頭してきた職だワン

個人の武力行使…
容易に人を殺められる力、本来なら糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは、先人達がモラルやルールをしっかり遵守してきたからなんだワン

資格未取得者が、保護管理者の指示なく“個性”で危害を加えた事
たとえ相手がヒーロー殺しであろうとも、これは立派な規則違反だワン」

面構の言葉に緑谷はゴクリと唾を飲んだ

「キミ達4名及びプロヒーロー、エンデヴァー、マニュアル、グラントリノ、この7名には厳正な処分が下されなければならない」

と、そこで轟が前に出た

「待ってくださいよ」

「轟くん……」

「飯田が動いてなきゃ“ネイティヴ”さんが殺されてた
緑谷と工藤が来なけりゃ2人は殺されてた
誰もヒーロー殺しの出現に気づいてなかったはずですよ
規則守って見殺しにするべきだったって!?」

熱くなる轟に緑谷は「ちょちょちょ」と慌てて止める

「結果オーライであれば、規則などウヤムヤで良いと?
…人をっ…救けるのが、ヒーローの仕事だろ」

轟の眼を見た面構はハァ、とため息を吐いた

「だから…キミは“卵”だ。全く…いい教育をしてるワンね、雄英もエンデヴァーも」

エンデヴァーの名前が出た轟は「この犬…」と前に出る

「やめたまえ、もっともな話だ!!」

「まァ…話は最後まで聞け」

グラントリノに言われた轟は渋々口を閉じた

「以上が…警察としての意見 で、処分云々はあくまで公表すれば(・・・・・)の話だワン」

「「!」」

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年2月9日 21時

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