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「まァ、…よぅわからんが、とりあえず無事なら良かった」
「グラントリノ……」
「それより、愚嬢は!?」
「背中と腹を思いっきり斬られてますが、気絶してます
早く病院に連れて行くないとやばいです」
「ったく！」
呆れたように怒るグラントリノがいたところから、ヒーローたちが集まってくる
「エンデヴァーさんから応援要請承った、んだが…」
「子ども…!?」
「ひどい怪我だ、救急車呼べ!!」
「ちょっ、工藤さんじゃん！早くしろ！」
「おい、こいつ…ヒーロー殺し!!?」
音風を俵担ぎしていた轟だが、ヒーローに受け渡した
「あいつ……エンデヴァーがいないのは、まだ向こうは交戦中ということですか？」
「ああ、そうだ脳無の兄弟が…！」
「ああ！あの敵に有効でない“
轟はヒーロー殺しを受け渡し、代わりに音風を受け取った
「2人とも…僕のせいで、傷を負わせた。本当に済まなかった…」
頭を下げる飯田は、目から涙が流れていた
「何も…見えなく…なってしまっていた……！」
「……僕もごめんね。キミがあそこまで思いつめていたのに、全然見えてなかったんだ。友達なのに…」
あの時声をかけてくれた緑谷と音風に飯田はさらに申し訳無く思った
「しっかりしてくれよ、委員長だろ」
「……うん…」
轟は音風を地面に下ろした
「あ、轟くん。僕手伝うよ」
「ああ」
音風をゆっくりと地面に下ろし、呼吸を楽にさせてやる
時間で言えばほんの5分〜10分ほどの戦い
だが、彼らにとってはものすごく長い戦いのように感じたのだ
「伏せろ!!」
「え？」
と、その時倒し損ねた翼の生えた敵がやってきた
「敵!! エンデヴァーさんは何を……」
片目がやられている敵は、低空飛行をした後、すぐに上昇した
それは一瞬で、連れ去られてしまう
「緑谷くん!! 工藤くん!!」
「え、ちょ…」
音風と緑谷をしっかりと掴んだ脳無は、そのままバサバサと飛んでいく
(速い！いかん、あまり上空に行かれると、俺の“個性”じゃ届かなくなる！)
「やられて逃げてきたのか！」
「わあああ!!」
このままでは手負いの2人が連れ去られてしまう
一同がどうしようかと迷った瞬間
ヒーローの頬に飛び散った脳無の血を、誰かが舐めた
「偽者が蔓延るこの社会も、徒に“力”を振りまく犯罪者も、粛清対象だ…ハァ…ハァ…」
脳無にナイフを突き刺す
「全ては正しき、社会の為に」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年2月9日 21時
