検索窓
今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:73,016 hit

19-3 ページ6

「そーいや、工藤」

『ん?』

爆豪の額に指で押さえつけている音風に、上鳴は「この間の」と聞いた

「『といっても、そうじゃないの』…の、後になんて言おうとしたんだ?」

『あー、その事?』

爆豪の頭を掴み、席につかせた音風は『実はね』と言葉を並べる

『私の“個性”は、自分自身の血液を操るっていうのは、みんなに教えた通り。
だから大怪我をしたり、血が足りなくなったり、フラッシュになっちゃうの』

「フラッシュ?」

「何ですの、それ?」

小首を傾げる全員に『要するに』と言う

『暴走だよ。自我を忘れて、手当たり次第その辺のものを壊して行く迷惑な敵と化するんだ…キャパオーバーは、特にないけどね』

と、眉を下げて『ありがた迷惑な“個性”なんだよ』と手のひらを上に向けお手上げ状態です、という体制に出た

『まあ、血液の30%の血を失うとフラッシュになる
それをさらに放置しておけば…失血死してしまうの』

「「えぇ!?」」

緑谷「だ、大丈夫なの!?『大丈夫じゃないわよ』えぇっ!!?」

サラッと笑いながら言う音風に緑谷は「そそそ、そんな」とガクガクした

『危険な“個性”だから、簡単に使っちゃダメだって小さい時から言われてたんだけど…。ヒーローになるって決めた以上、それを乗り越えなくちゃいけないって思ったの…
だから、フラッシュになりかける前に鉄分を補給したり、チョコレートを食べてフラッシュを防いでるってわけ
でもまあ、フラッシュの酷い時は…人間の血液を飲んでしまう事』

「「え…」」

音風が自身の手のひらを見つめながら静かに言う

『私のこの力は、祖母から受け継いだもので力の大きさもそれと同等、いやそれ以上かもしれないと母さんや父さんに言われた

ヴァンパイアが人間を吸血するのと同じで、人間で言えば貧血状態。
そんなヴァンパイアの“個性”を持った人間が、人間の血を見てしまえば…どうなるか想像がつくでしょ?』

ゴクッ…と生唾を飲む全員に『本能と欲望のままに血を求めて暴走してしまう』と、音風は静かに語る

『それがヴァンパイアだから、なおさらね。特に、私の場合は祖母よりも強いから、それ以上になるかもしれない』

一気に暗くなる車内に『でもまあ』と音風があっけからんと笑った

『そんな証拠、どこにもないんだけどね』

「な、ないのかよ…」

「ガ、ガチかと思ったぜ」

『あはは…』

「もう着くぞ。いい加減にしとけよ…」

「「はい!!」」

20話 13号→←19-2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
49人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。