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『変だよね?成功する確率が低いのに、その言葉を信じちゃうんだもん』

爆豪は黙って音風の話を聞いた

『で、手術を受けて術後に麻痺があるかの確認をしたら、なんとびっくり麻痺もなく大成功!』

パンッ!と手を叩き微笑む音風に爆豪は「そうか…」とホッとしたような顔になる

『あ!探偵左文字の本がある!!!』

「あ?」

先ほどの重い空気から一転、音風はテーブルの脇に置かれた本棚を見つめた

『わぁー!すごい!全巻揃ってる!』

騒ぐ音風に「好きなんか?」と聞く

『うん!いつも新一と読んでるんだぁ』

と、子供のように言う音風に爆豪は目を見開いた
音風もハッとし徐々に顔を赤くして行く

『いや、その…』

「2人とも〜、ご飯できたわよ!」

『はいぃ!』

がばっと立ち上がり、急いで向かう音風
爆豪は音風の分のコップを持ちながら、先ほどの笑顔を思い出した

(あんなガキみてぇな顔しやがって)

可愛らしい笑顔を向けられた爆豪は、片手で顔を覆った

(あ"ぁぁ…クソが)

ガシガシと頭をかいて爆豪は、テーブルの方へ歩いていく
光己に頼まれ皿を並べて行く音風の横に立ち爆豪も一緒に並べ始める

「勝己!これ並べな!」

「チッ」

舌打ちをしながらもちゃんと言うことを聞く爆豪に、音風も微笑んだ

「音風ちゃん!お箸並べてくれない?」

『あ、はい!』

台所へ向かい箸を受け取ると、かすかにいい匂いがした

『レモンの匂い…』

「あら、気づいた?」

オーブンからいい匂いがし音風は『クンクン』と匂いを嗅ぐ

『甘酸っぱくて香ばしいこの匂いって…』

頭の中である物が浮かんでくる

『レモンパイ!!!』

「大正解」

キラキラと目を輝かせる音風は『やったぁ!』とはしゃいだ

『あ…』

大喜びをする音風を見た爆豪と光己は目を丸くさせた

『あ…ごめんなさい…』

かぁぁぁ…!と顔を赤くさせる音風に光己は「レモンパイ好きだったわよね?」と聞いた

『はい…』

「このレモンパイ、お礼で焼いたのよ!食べてくれる?」

『!! いいんですか!?』

「もちろん」

レモンパイが食べれるとわかった音風はルンルンとした

(レモンパイ…)

「作り方、教えようか?」

「いらねぇわ!!!!」

心を読まれた爆豪は、大きく怒鳴ったのだった

「あ、美味しそうな匂いだね」

「えぇ!さっ!早く食べるわよ!」

爆豪家の夕食、1人追加の楽しいご飯の始まりだ

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時

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