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29話 夕食 ページ48

『友達もそれなりにいたけど、みんな私と違って“個性”がなくて…
私の中学からヒーロー校に行くの私だけだったから…いつも少しだけ距離を置かれてたんだけどね…

まあ、中学になってからはそんなの関係なしで遊んでたんだけど…』

「あの5人とか?」

『あの5人とは、小学校の時に出会ったの。ゼロくんとヒロくんとは、最初は公園で、松田くんとハギくんは米花駅で伊達くんとは学校の交流で』

「あ?なんでそんなバラバラな6人が」

『米花駅でばったり会ってね。お互いに自己紹介してたら仲良くなって』

「……んなことより頭の傷、説明しろや」

ボスンッとソファーに座った爆豪に『頭の傷?』と聞き返した

「手術痕」

『あー。いいけど』

爆豪の隣に座り『去年の春頃だったな』と話し出した

『私、キミ達と別れた後にあのまま家に帰ったの
で、普通に学校の用意して寝て、次の朝から学校に行ったの。
受験の勉強もそこそこしながら、教室に着いてドアを開けて、みんなにおはようって挨拶してたら、急にめまいが起きて、そのまま倒れたの

意識不明の重体で、翔北に運ばれたの
診断は「血管芽腫」…主に成人の小脳や、延髄、脊髄に発生する良性の腫瘍だったんだけど、
名前の通り血管性の構造からなる腫瘍で、出血することはまれで、良性ではあるんだけど急速に進行した場合には、他の脳組織を圧迫したりして死に至る場合もあるんだって、担当医の先生から説明を受けたの

腫瘍が小脳を圧迫することによって起こる、ふらつきやめまい、眼振、頭蓋内圧亢進症状…典型的には頭痛と嘔吐が生じるって…

でも、私のは少し違っていた
血液を操る“個性”だから、進行が早かったんだって
小脳血管芽腫…小脳に腫瘍があって、大きさは4センチという危険な大きさ…
ここまで生きてこれたのが奇跡だと担当医の先生が驚いていた

急いで手術をして取り除かないと危険だって
でも、もし脳を傷つけたら神経は麻痺して動けなくなるし、もしかしたら死んでしまうかもしれないと言われた

母さんと父さんも…新一も不安の中で私を見つめて来た
決めるのは、私だと

私は迷わず言ったわ

“切ってくれ”って…それで治るなら、構わないって

もし死んだとしても、そこでおしまい
手術が成功する確率も高くない…もし成功したとしても、麻痺があるかもしれない…
そんな時に言われたの…「絶対救ける」って』

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時

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