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ーデパート・ー階段
「あ、勝さん？え？今？勝己とまだデパートの中よー…」
階段を上りながら光己は勝からかかってきた電話に出た
爆豪が前を歩き、光己がこけないように気使っている
「ちょっと聞いてよ、ひどいんだから！そりゃーのんびりトイレに入っていたけど、何も明かり消すことないと」
「のんびりしてたんじゃねぇか!!!」
「勝己、うるさい!!!(ｽﾊﾟｧﾝ」
爆豪の頭を叩いた光己だが、背後からコツ、と音がして「え？」と振り返る
爆豪も頭の痛みに悶えながら「んだよ」と声をかける
光己は階段の手すりを掴み、今さっきまで上がってきていた階段を見た
爆豪も何かあるのかと思い、光己と同じように下を見た
《何？どうかしたのかい、光己さん？光己さん？》
電話の向こうにいる勝に「あ、ううんなんでもないわ」と答える光己
「チッ…」
「ちょっと変な気配が…」
と、爆豪が光己の方を向いた時
「!!!?」
「しただけ…」
スーハー、と息をする人物が金属バットを光己に向かって振りかざしていた
「キッ…キャァァァア!!!!」
「ババァ!!!」
ﾄﾞｶﾞｯ！
「ぐっ…！」
光己を庇った爆豪は、思い切り頭に金属バットが当たり、血を流した
「か、勝己！」
踊り場に倒れ、自分を守った爆豪を起き上がらせると光己は持っていたスマホを投げつけた
「ちょっと、勝己に何、す…ん」
スマホを投げつけた光己は、立ち上がり相手に立ち向かう
だが、相手の顔を見て光己は顔を青くした
「あ、あんた…」
「ババァ、こっちだ!!!」
頭から血を流しながら爆豪は光己の手を引き、階段を駆け下りる
階段を駆け下りる前に、爆豪も相手の顔を見てしまった
相手の顔は…警備員の佐賀充だった
(見られた…見られた…顔を見られた!?)
ー地下駐車場ー
「ちょ、ちょっと、光己さん!? 光己さん!! 勝己くん!?」
話しかける勝を見ながら顔を強張らせる音風は『間違えたのよ』と言う
『間違えたのよ!!! 車の鍵を持って車に荷物を乗せていた光己さんを犯人が見て、厚底ブーツを履いた運転手と間違えたのよ!!!
爆豪くんもいたから、光己さんの厚底ブーツを見てそう判断したのよ!!!
1年前、自分の息子をひいた女と同じだと思って!!!』
「「な!? 何だとぉ!?」」
「今、どこにいるって言ってましたか？」
「デパートの中だと…」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年1月4日 22時
