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コスチュームの服を引っ張られた音風は『な、何？』と横を見ると轟がいた
「隣、座らないか？」
『いや、いいよ』
「……」
無言の圧に負けた音風は『し、仕方ない』と折れた
「こう言うタイプだった、くそう!!!」
「イミなかったなー」
バスが動き出し、全員が席に座っている中飯田がそう悔しそうに言う
「私思った事を何でも言っちゃうの。緑谷ちゃん」
「あ!? ハイ!? 蛙吸さん!!」
「梅雨ちゃんと呼んで」
呼び方を改められた緑谷
「あなたの“個性”、オールマイトに似てる」
「!!!」
『……』
ピンポイントに言われた緑谷は「そそそそ、そうかな!?」と慌てた
「いや、でも僕はそのえー」
慌てる緑谷。蛙吸の横に座っていた切島が「待てよ、梅雨ちゃん」と言った
「オールマイトは怪我しねえぞ。似て非なるアレだぜ。しかし増強型のシンプルな“個性”はいいな！
派手で出来る事が多い！
俺の“硬化”は、対人じゃ強えけど、いかせん地味なんだよなー」
ガチガチ、と自分の腕を硬くする切島に緑谷が明るく言った
「僕はすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する“個性”だよ」
「プロなー！しかしやっぱヒーローも、人気商売みてぇなとこあるぜ!?」
「僕のネビルレーザーは、派手さも強さもプロ並み」
「でも、お腹壊しちゃうのはヨクナイね！」
それ言っちゃう？と青山が見ている
「派手で強えっつったらやっぱ轟と工藤と、爆豪だな」
話の種に名前を出された爆豪は、「ケッ」とつまらなさそうに窓の外を見た
「爆豪ちゃんは、キレてばっかだから人気でなさそ」
「んだとコラ、出すわ!!」
グオ、と席から体を乗り出した爆豪に「ホラ」と蛙吸が指をさした
「この付き合いの浅さで既に、クソを下水で煮込んなような性格と認識されてるってすげぇよ」
「てめぇのボキャブラリーは、何だコラ。殺すぞ!!」
(かっちゃんがいじられてる…!! 信じられない光景だ、さすが雄英…！)
ガクブルしている緑谷を見た音風は、『確かに』と耳郎の席の背もたれに身を乗り出した
『キレてばっかりとか怒ってばっかりだとか、ぶすくれた顔ばっかりしてると、人気でないよね』
「てめぇもてめぇで、何言ってんだコラ!!!」
目を釣り上げる爆豪に、『そう言うところだよ』と眉間のシワを突いた
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2019年1月4日 22時
