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28話 ただの憂さ晴らし ページ38

「あ、いや、しかし…」

歯切れの悪い水岡

『でしたら、私がガン黒になって車に乗ってみましょうか?金属バットぐらいなら、なんとかできますし』

ダメ元で提案した音風に水岡は「言っただろ!?」と怒鳴った

「もう囮りは使わんと!!!」

『け、警部…』

怒鳴る水岡に驚いた音風は、少し体を引いた

「管理官!もう少しここで捜査をさせてください!! 何か掴めそうなんです!」

「……」

「それに私には、被疑者がまだこの近辺にいるような気がして…」

「まぁ、構わんが…水岡…相田…まさかお前たち…まだあの事件(ヤマ)を引きずってんじゃないだろうな?
水岡のそのシャッポと相田のその前髪の中に封印した、あの事件(ヤマ)を…」

(あの事件(ヤマ)?)

本永の言葉に眉を寄せ、顎に手を添えた音風

「ねぇ、勝さん」

「ん?なんだい?」

「まだかかりそうかしら。荷物を車に乗せてトイレに行きたいのよ…」

「そうだね…彼女に聞いてみようか…」

「おい、工藤」

『ん、何?』

「ババァが荷物置きに行ってトイレに行きてえって言ってる。俺と行ってくっから」

『え、大丈夫?』

「んなもんヨユーだわ」

爆豪は光己と共に人混みをかき分けて車へ向かった

「あったあった!」

「んだこの車、ヘッタクソか」

変な止め方をする車に悪態をつきながら光己が荷物を乗せるのを待つ

「ん?ババァ、んな靴持っとったんか?」

「え?あー、これ、さっき買ったのよ!私もまだ若いからね!」

光己が足をヒラヒラさせる
そんな光己を見つめる、黒い影はギリ…と歯噛みをしていた

「警部!確認とれました!やはりあの女性は、車から降りて公園のトイレに行ったそうです!」

「おお、そうか!!」

『…車に関係した女性を狙う犯人…』

「遺体運びます!」

「ああ…」

「はい、どいてどいて!」

と、遺体を運び出す警官にぶつかった野次馬
その時、遺体の女性が履いていたパンプスがカコン、と落ちた

『え?』

「おい、足がはみ出してるじゃないか!」

「あ、悪い悪い…」

警官が靴を拾い、女性に履かせてやる

「あれ?変だな…この靴、ブカブカだぞ…」

『!!』

音風はハッとし、女子高生達の元へ向かった

『ねぇ、あなた達!』

「「え?」」

『さっき言ってたおかしいところって…もしかして』

女子高生達の耳元で言うと、2人が「そうそう!」と言った

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時

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