27-6 ページ37
『彼女、夜中に公園のトイレから出て来たところを襲われたんでしたよね?』
「えぇ…通報を受けて私たちが駆けつけた時撮らせてもらった写真よ!ホラ、バッグにトイレ写ってるし…」
『通りかかった人に発見されたということは、連れはいなかったということなんですよね?
でもこの女性、男物のパーカー羽織ってますよ?』
「ああそれ、現場にいた時に僕のを着せてあげたんだ。僕、その時張り込みで張り込みの交代の後にこっちに呼び出されたから」
武藤の言葉の後にすぐに返す
『でも、なぜこの女性、夜にこんな格好で公園に?上着を普通は着るはずでは?』
「た、確かに…上着を盗られたなんて言ってなかったし…」
「そういえばこの子、事件以来ずっと錯乱状態でまだちゃんと事情聴取をしてなかったのよねー」
「バカか。最近のモブ女は薄着すんのがイキなんだろうが!!」
爆豪が音風にそう突っ込むと武藤は「でも彼女」と上を見上げ思い出すように言う
「ノースリーブでしたからこの季節、夜中にあれは少し寒いかも…」
『もしかしたら、暖かいところから少し出てトイレに行って、すぐにそこに戻るつもりだったんじゃないですか?』
「あったけぇとこだとぉ?」
『えぇ…例えば…車の中とか…』
音風がそう鋭い瞳で言えば、全員がハッとした
「そう言えば、1件目も3件目も被害者が車から降りたところを襲われていたな…」
「そしてこの4件目は駐車場…」
「す、全て車がらみだ!!」
「よし、武藤くん!ただちに2件目の被害者に確認を取ってくれ!」
「はい!!」
指示を出した水岡の背後から音風に声をかける男性がいた
「毎度毎度、活躍をしてくれるな。工藤名探偵!」
『も、本永警視!!?』
目を丸くさせ目の前にいる本永に驚く音風
『ど、どうしてここに!!!?』
「言ってなかったか?警視庁から静岡の方に異動になったと」
『聞いてませんよ!?』
「ハッハッハッ!してやったりだ!」
高笑いする本永に『警視ィイ』と音風が怒る
「おい、あのオヤジ誰だ?」
『警視庁刑事部捜査二課の本永管理官だよ…今は警視で小さい頃からお世話になってる刑事さんなんだ』
爆豪に説明すると、本永は「おい水岡」と声をかける
「表でマスコミが無差別殺人の始まりじゃないかと騒ぎ出している…ここは、早々に切り上げてまた明日出直せ!」
49人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時