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「母親の買い物が終わるのをここで待っていた少年が、サッカーボールと一緒に車の陰から飛び出してはねられたのよ…
駐車場だからあまりスピードは出ていなかったみたいだけど、当たりどころが悪くて少年は3日後に死亡…
結局彼女は実刑ではなく、執行猶予付きの判決になったらしいけど、少年の名前は確か…白石研人って言ったかな…」
『なるほど…あのオーナーは前科のある彼女を息子の嫁には迎えたくないというわけでしたか…
ところで、あなたのお父さんの身長はどれくらいかわかりますか?』
「150ちょっとだと思うけど…」
『皆さんは?』
「173だよ」
「私は144…」
「私は167です…」
(1番怪しいのは、あのオーナーね…彼なら彼女が車でここへ来ることは予想できただろうけど…まだ犯人と決めつけるのは早いわね…)
と、顎に手を当て考え事をしていると「光己さん!」と声がかかる
「ど、どうしたんだい!?」
「そ、それが…」
「クソオヤジ…」
アワアワとする男性に『爆豪くんのお父さん?』と爆豪に耳打ちする
「ああ…オドオドしやがって…」
『…すみません、工藤音風と言います。失礼ですが、光己さんの旦那さんの勝さん、で合っていらっしゃいますか?』
「あ、はい。爆豪勝です。あの、これは…」
『…警部、光己さんの旦那さんが来てくれたので中に入れて事情を説明してもよろしいですか?
光己さんも、事件のことで混乱しています。少しでもご家族と一緒の方が落ち着くかと』
音風の提案に水岡は「ああ」と頷いた
『では、勝さん。中へ』
「は、はい!」
カチコチと固まっている勝に、爆豪は「シャキッとしやがれ、クソオヤジ!!!」と怒鳴った
「ご、ごめんよ」
『すみませんが、今までどこへ?』
「トイレに…ここに来ようとしたら、人だかりが凄くてなかなかここへたどり着けなくて…」
『そうですか…すみませんが、光己さんのそばにいてあげてください。事件の第一発見者ですから』
「あ、はい」
光己の肩を抱き、優しく抱きしめる勝に光己も目を閉じて寄り添った
『すみません、椎名さんのお父さんは待ち合わせのレストランに来られたんですよね?』
「いや…時間が過ぎても来ないから、ちゃんと来てるかどうか彼女に様子を見に駐車場に行ってもらったんだ
父の駐車スペースは決まっていたから…」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時