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27-3 ページ34

「つまり彼女は、その待ち合わせのレストランに行く前に、この駐車場で車から降りて来たところを犯人に撲殺されたというわけね…」

「ええ、恐らく…」

鑑識作業がどうにか終わった後、一向は被害者の身元から全てを整理した

「ん?彼を慰めているあの女性は?」

「彼が働いているレストランのウエートレスだそうです…
名前は東陽子さん…彼とは大学の同級生で、色々相談に乗っていたと言ってました…」

「相談って……?」

相田が武藤に聞くと、武藤は被害者の彼氏である椎名航平を見た

「椎名さんは、殺された本間さんとの交際を父親に反対されていたらしくて…」

(まあ、あんな派手な服装で会いに来たら、どのみち反対されんだろ)

爆豪は殺された被害者の服装を見て、当たり前だと思った

『光己さん、死体を見つける前、不審な人物は見ませんでしたか?例えば、顔を隠してる人とか…』

「そんな人いなかったわよ…すれ違ったのは警備員さんぐらいよ…」

『警備員?』

「えぇ…デパートからこの駐車場に入る入り口のところで、勝さんに車のキーを受け取ってここに来た時40歳ぐらいの男性だったわ…」

「あ、それ私ですよ」

「あ…」

音風は後ろに現れた警備員を見た

「丁度トイレに行くために持ち場を離れた時で…きっと犯人はその隙を狙って…」

警備員の佐賀充がそう言葉を発した

「…とかなんとか言って、本当はキミがやらかしたんじゃないのかね?」

「え?」

「父さん…」

後ろにいたのは、椎名航平の父親である椎名輝義だった

「確かキミは、半年前までライバル百貨店の警備員をやっていたそうじゃないか…まさか、我が百貨店の評判を下げるために奴らに頼まれて…」

「そ、そんな…」

「まぁ、航平もこれに懲りて、新しい女性を見つけるんだな…今度は傷の付いていないちゃんとしたお嬢さんをな!」

「と、父さん!!」

傷口に塩を塗られた椎名は、また涙を流した

「航平くん…」

涙を流す彼に、東が慰める

『傷って、何のことなんです?』

「きっと1年前に、この駐車場で彼女柄起こした自動車事故の事だと思います
彼女、小さな男の子をひいてしまったらしくて、そのせいでお店の店員も辞めちゃって…航平くんも随分そのことを悩んでいました…」

「ああ…それなら交通課の南から聞いたことがあるわ」

相田が眉を落として話した

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時

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