25話 強がれると思うなよ ページ24
「工藤!」
『ゼロくん、みんな』
立ち上がり、ふらついた足取りで歩く音風に5人が駆け寄った
『みんな、授業は?』
「嫌な予感がして、全員で仮病を使って駆けつけた!」
『あんたら、進級できるわけ?』
「オールマイト、これ着とけ!」
「怪我が激しいな…ヒロ、簡易の救急箱あるだろ。持って来てくれ!」
「わかった!」
「すまない…」
伊達と松田がオールマイトの手当てに勤しむと切島がこちらに走って来た
「緑谷ぁ!! 工藤ぉ!! 大丈夫か!?」
「切島くん…!」
「わっ、待った!」
「切島、ストーップ!」
ワタワタと手を振る2人を無視しながら走り寄ってくる切島の前に、ズッとコンクリートの壁が現れた
「生徒の安否を確認したいから、ゲート前に集まってくれ。ケガ人の方は、こちらで対処するよ」
「そりゃそうだ!ラジャっす!!」
と、切島はゲートの方へ向かって行った
「ありがとう、助かったよ…セメントス」
「俺もあなたのファンなので…このまま姿を隠しつつ保健室へ向かいましょう。しかしまァ、毎度無茶しますね…」
「無茶をしなければやられていた。それ程に」
“強敵だった”。その言葉の重みに松田も伊達もゴクリと唾を飲み込んだ
『とりあえず、松田くん、伊達くん、ヒロくんは緑谷君とオールマイトさんと一緒に保健室へ
私とゼロくん、ハギくんで状況を確認してくる』
「ああ」
「無理すんなよ」
チョコレートを食べながら音風が指示を出すと、松田も伊達も心配の目に変わる
『大丈夫、暴走には至らなかったけど、なんとかなったし…あとで爆豪君にお礼言っとかないと』
降谷に肩を支えられながらゲートの方へ向かう
「16…17…18……両足重傷の彼を除いて……全員ほぼ無事か」
「尾白くん、今度は燃えてたんだってね。1人で…強かったんだね」
「皆1人だと思ってたよ、俺…。ヒット&アウェイで凌いでいたよ…。葉隠さんはどこにいたんだ?」
「土砂のとこ!轟くんと音風ちゃんクソ強くて、びっくりしちゃった」
(凍らすとこだった。危ねぇ…)
階段を登りきった音風は『サンキュー』と降谷から離れた
「大丈夫か?」
『もう歩けるよ』
チョコレートの入った紙袋を降谷に渡した音風は、『塚内さん』と警察の元へ向かった
「あ、工藤さんじゃないか」
『ご無沙汰です』
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時