探偵の姉はゼロを目指すヒーロー2 (ページ20)

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「攻略された上に、全員ほぼ無傷…
すごいなぁ、最近の子どもは…恥ずかしくなってくるぜ、敵連合…！
脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還と…いい“個性”持ちを連れて帰ろう!!」

ブチブチと、鎖を引きちぎる死柄木に音風は『あら』と、声を出す

『いい“個性”持ちって、誰のことかしら？』

「キミに決まってるじゃん」

指をさされた音風は『まずいな』と目を鋭くさせた

(そろそろチョコレートか鉄分取らないと、マジで危ない気がする…)

クラクラする意識に音風は危険を感じていた
と、バキバキと音を立てる脳無が視界に入る

『なっ…!!』

「身体が割れてるのに…動いてる…!?」

凍った身体で動く脳無に、音風は『ま、まさか…』と目を疑った

「皆下がれ!! なんだ!? 「ショック吸収の“個性”じゃないのか!?」

「別にそれだけとは言ってないだろう。これは“超再生”だな。脳無はお前の100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバッグ人間さ」

『爆豪くん!!!』

爆豪の前に立ち、音風はブツッと腕を噛んだ
大量の血を流し、急いで大きな盾を作る

『間に、合って…！』

パキパキ、と急いで盾を作る
あと少し、だが目の前には脳無がいた

『無、理…！』

目を瞑った音風の腕を強く掴み後ろに倒れさせ、強く抱きしめたのは爆豪だった

(クソが…!!!)

ｽﾞﾄﾞｫｫﾝ

脳無の放った拳はすごい風が起こる

「かっちゃん!!! 工藤さん!!! かっちゃん!!? 工藤さん!!?」

爆豪の腕の中にいる音風と、音風を抱きしめながら唖然とする爆豪が、緑谷の隣にいた

(何も…見えなかった…！)

「避っ避けたの!? すごい…！」

「違えよ、黙れカス」

爆豪は自分の腕の中にいる音風を見ると瞳孔が開いており、荒い息遣いが聞こえる

「お、おい…！」

『爆豪、くん…ごめっ…血、ちょうだい』

「は？」

『血、足りなくなってきた、から、血、かチョコレート食べない、と…暴走、しちゃう…お願い…後少しで暴走、しそう、なの…』

ハァーッ…ハァーッ…と、荒い息遣いの音風の肩を支える爆豪は、「どうすりゃいいんだよ！」と聞く

『どこでも、いい…痛いのに、耐えれる？
噛んじゃう、から…痛みに強い場所…出して』

「左手、噛め！」

腕を差し出した爆豪に、音風は飛びつくように腕を噛んだ
ブッ、と八重歯が爆豪の腕に突き刺さる