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17話 轟の瞳 ページ2

翌日。音風は早めに登校しセキュリティ3へと足を運んでいた

『佐藤刑事の報告によると、誰かが壊した…“個性”持ちの犯人の可能性が高いということ…』

地面に残るセキュリティ3の破片に手を伸ばし指でつまむ

『解析しようにも…ん?』

セキュリティ3の外に何かが落ちており、音風はそちらへと向かった

『何だこれ』

ハンカチでそれを拾い上げると、それは黒い布の切れ端だった

『見た感じ服の切れ端みたいだけど…』

「ちょっとちょっと、音風!」

『ん?』

ハンカチで拾い上げたものを見ていると、ミニパトに乗った宮本由美に声をかけられた

『由美さん』

「あんた、何してるわけ?セキュリティ3の前で…学校に登校したの?」

『えぇ。この時間帯なら誰もいませんし、捜査をしたり証拠を集めるなら早い時間がいいので』

「あんたも日本を代する名探偵だからねぇ。あんたのいく先々で事件起こりそうだわ」

『嫌だなぁ』

眉を落としながらそう言えば『あ、そうだ』とハンカチで包んだ黒い布の切れ端を由美に渡した

『それ、捜査一課に渡してください』

「何よ、コレ?何かのゴミ?」

『わかりませんけど、犯人につながる証拠かもしれないと思って』

「オッケー。すぐに美和子に渡しとく」

『お願いします』

由美にそう言い音風は雄英へと戻った

『あれ、轟くん』

「工藤か」

廊下で轟と会った音風

「早いな」

『ちょっと気になることがあってね…』

肩をあげてそう答えると「そうなのか」と言う

「工藤はなんでヒーローになりたいんだ?」

『唐突だね。そうだなぁ…守りたいものが沢山あるから、かな』

轟の席まで行き、八百万の席に座った音風は窓を開けた
柔らかい風が音風の肌を撫でる

『子どもの頃から、なんでもしてきた。空手や柔道、サッカーに読書…色んなことを父や母に教わって…
探偵や警察官にもなりたいと思ってる』

「3つになりたいのか?」

『うん。どれか一つでも欠けたりしたら、嫌なんだ。
目指したいものが沢山あるって、欲張りでしょ?』

ひひひひっと笑う音風に轟は「そうか…」と言う

『轟くんは?』

「え?」

『なんでヒーローになりたいの?』

風が吹き込み音風の長い髪が風でなびいた

「…クソ親父を抜くためだ」

『…エンデヴァーを?』

「ああ」

『…そうなんだ』

音風は恨みや憎しみが宿る轟の瞳を見て、静かに呟いた

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2019年1月4日 22時

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