28話 自由 ページ23
海の見える丘の上、一人でそこに座っていれば、ドンッと背中に大きな衝撃がきた
グズっという鼻の音と、背中がじんわりと冷たくなっていくのを感じて、その正体に『泣き虫〜』と頭を後ろにコツリとぶつければ、「うぅ…」と小さな声が返ってくる
グリグリと背中におでこを擦り付けてくるその子に、『…ルフィ』と語りかければ、ルフィはズビッと鼻をすすった
「うぅ…」
泣きじゃくりすぎて言葉を言えないルフィに、眉を落として微笑み、泣き止むまでそのままでいると、ザッザッと草を踏みしめる音が聞こえてきた
ﾊﾞｺｯ!!
「ウッ」
『エース！』
頭を殴られたルフィは、麦わら帽子を強く握りしめ、私に抱きついてくる
「いつまでティラにそうやってるつもりだよ」
「………………………!!」
「“中間の森”に隠してた財宝は、全部無くなってた
結局サボは使わなかったんだ…。……だから、おれももういい…守れもしねェ財宝集めても仕方ねェ…」
「………エース、ティラ、おれは」
「！」
『？』
「もっと、強くなりたい!!!」
精一杯の声でそう叫んだルフィは、「もっともっと」と何度も呟いた
「もっと強くなって!!
そしたら、なんでも守れる
誰もいなくなるなくてすむ……………!!!
お願いだからよ…!! エースとティラは死なねェでくれよ…………!!!」
ハッと息を飲み、『当たり前だよ』とルフィに振り返ればエースはまたルフィを殴った
「馬鹿言ってんじゃねェよ!!
おれの前にてめェの心配しやがれ!!!
おれより遥かに弱ェくせによ!!!」
何度も殴らなくていいじゃないかという視線を送ると、「いいか、覚えとけルフィ!!!」とエースは怒鳴った
「おれは死なねェ!!!」
「……うん!!!」
「サボからもおれは頼まれてんだ…約束だ！おれは絶対に死なねェ!!
お前みたいな弱虫の弟と、泣き虫の妹を残して死ねるか！」
「うん、うん…！」
『…………うん』
「おれは頭が悪ィから、サボが一体何に殺されたのかわからねェ
でも、きっと“自由”とは反対の何かだ…
自由を掴めずにサボは死んだけど、サボと盃を交わしたおれたちが生きてる!!!」
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さっちゃん(プロフ) - サボ推しで小説拝見しました。休む時間必要だと思いますのでゆっくりでいいですよ。 (2022年12月22日 9時) (
レス) id: 6ccc21148d (このIDを非表示/違反報告)
Rain - この作品好きです！最近またONE PIECEにまたハマりましてサボが大好きなんです！！無理のない程度で更新頑張ってください！ (2020年7月23日 12時) (レス) id: 3d2006b17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2020年4月28日 18時
