44話 突き通すウソ ページ28
ーシロップ村ー
夕方、シロップ村へと戻ると、そこにはウソップが静かに自分の村を眺めている姿があった
「あ!! キャプテン!!!」
「よぉ、お前らか！げっ!! お前っ、生きてたのか!!」
「生きてた？ああ、さっき起きたんだ」
「コイツの生命力舐めるなよ、ゴキブリだから」
『世界滅亡してもケロっとしてそうだしね』
「そんなことより、キャプテン!! 話は聞きましたよ!! 海賊たちのこと、早くみんなに話さなきゃ!!」
ピーマンがそう言うと、ウソップは高笑いをし始めた
「いつものウソに決まってんだろ!! あの執事の野郎、ムカついたんで海賊にしたててやろうと思ったんだ!!」
ウソップのその言葉に、3人はがっかりして、さらにはウソップを軽蔑してそのまま自分たちの家へと歩いていく
『…………んで？』
「(ｷﾞｸｯ」
『事実を捻じ曲げて嘘で通したウソップくんよぉ』
「は、はい…」
『この次は、どうするおつもりで？』
「俺、アイツの前では絶対ウソつけないと思う」
「おれもだ」
「お前はまず嘘つけねえだろ」
泣き喚くウソップの首を掴んでそのまま海岸へと向かい、とっぷりと日が沈んだ頃に本題に入った
「おれはウソつきだからよ。ハナっから信じてもらえるわけなかったんだ。おれが甘かった!!」
「甘かったって言っても事実は事実。海賊は本当に来ちゃうんでしょう？」
「ああ、間違いなくやってくる。でもみんなはウソだと思ってる!!
明日もまたいつも通り平和な1日がくると思ってる……!!
だからおれは、この海岸で海賊どもを迎え撃ち!!! この一件をウソにする!!!
それがウソつきとして!! おれの通すべき筋ってもんだ!!」
「「！」」
『………(ﾌｯ』
ある意味、ちゃんと親父の血を受け継いでるみたいで安心した
「腕に銃弾ブチ込まれようともよ…ホウキ持って追いかけ回されようともよ…!!
ここはおれの育った村だ!! おれはこの村が大好きだ!!! みんなを守りたい………!! こんな…わけもわからねェうちに…みんなを殺されてたまるかよ……!!!」
「とんだお人好しだぜ。子分まで突き放して1人出陣とは…!!」
「よし、おれ達も加勢する」
「言っとくけど、宝は全部私のものよ！」
『大事なもん守る奴に力貸すのは嫌いじゃないんでね』
「俺も、腕鈍ってるの嫌だから暇つぶしに手伝ってやるよ」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年3月12日 19時
