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「もしかして、それからずっとそいつの帰りを待ってるのか？」
「みんなそう言うがね。わしは違うと思う。シュシュは頭のいい犬だから、主人が死んだことくらいとうに知っておるだろう」
「…じゃあ、どうして店番なんか…」
「きっとこの店は、シュシュにとって宝なんじゃ。大好きだった主人の形見だから、それを守り続けとるのだとわしは思う」
(……それで、死んだら意味ないじゃないか)
生きるために俺は多くのものを犠牲にしてきた
自分の体も、心も、全部…手放して犠牲にして、必死に生き延びてきた
でもこの犬は、宝物を守るためにここを意地として動かなかった
「困ったもんよ。わしが何度避難させようとしても、一歩たりともここを動こうとせんのだ。放っときゃ餓死しても居続けるつもりらしい」
その時、雄叫びが聞こえてきた
「な…なに、この雄叫び……!!」
「こ…こりゃあいつじゃ!! “猛獣使いのモージ”じゃ」
「あーあ。なんか来ちまったよ。鍵返せよ、お前ェ」
「ガウ」
「逃げろォーーーーーーっ!!!」
「おい、あいつら行っちまったぞ」
檻の中に囚われているルフィを置いていかず、俺とゾロがその場で立ち止まっていると、あの女が町長とどこかへ逃げてしまった
「見つけたぜェ。まず3人…」
「…？」
「おれはバギー一味、猛獣使いのモージ」
「ライオン…」
「フハハハ…仲間に置き去りにされたのか？不憫だなァ。せっかく逃げ出したのに…。バギー船長はかなりお怒りだぜェ…えらいことしちまったなァ、お前ら」
「なんだ、お前。へんな着ぐるみかぶって」
「なにっ…!!!」
(…クマ？)
毛皮というかなんというか…頭と上半身を覆っている謎の着ぐるみのようなものに俺は黙って見ていると、モージと名乗った男は自分の頭を指差した
「失敬だぞ貴様ァ!! これはおれの髪の毛だ!!!」
「じゃあ、なおさら変だな」
「あぁ」
「やかましいわァ!!!」
ルフィと俺が言うとモージは「てんめェら」とプルプルと震えて怒りを見せ始めた
「その檻に入ってるからって安心してんじゃねェのか。まず、おれの怖さを知らんらしい…」
「んー…おれが1番怖いって思ったのは…ブチギレた青子だ」
「あぁ、確かに」
「誰だそりゃ!!!」
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2022年3月12日 19時
