探偵の姉はゼロです7 (ページ35)

今日:21 hit、昨日:2 hit、合計:67,676 hit

88話お久しぶりですねページ35

ポチャーーン…

『ん…？』

ポチャーーン…

『水音？』

ポチャーーン…と綺麗な音が鳴り響く中…辺りは真っ暗に包まれていた

『どこ？』

裸足でヒタヒタと歩いていると、柔らかいものが頬に触れた

『あっ……』

『まだ…こっちに来ちゃダメ…』

『待っ…て‼

ヒロさん‼』

『‼(ガバッ‼』

「「！」」

目が覚めた音風は、体をガバリと起き上がらせて目をパチクリとさせた

『あ、おはよう』

「「おはようじゃない‼」」

『わわっ‼』

グイッと詰め寄る霧那、新に突っ込まれた音風はベットの布団を顔のあたりまで持っていった

霧那「あんたは！いっっつも無茶ばっかりして‼」

新「待ってろって言っただろーが‼」

『待ってたら勇気君は死んじゃってた』

「うぐっ…」と新が言葉を詰まらせていると、ガラリと扉が開いた

？「調子はどうだ？工藤」

『！』

病室の扉を開けたのは、無表情でぶっきらぼうな言い方でしか想いを伝える事が出来ない先生

『お久しぶりですね、私の手術以来になりますよね？』

？「そうだな」

顔の表情を一切変えずに音風のベットの脇に歩いて来た

？「……」

『！…ごめん、霧那、相坂、少し席を外してくれないかな？』

霧那「え？「おう」あ、ちょっ、相坂‼」

新「お邪魔しました～」

ニヤつきながら病室を出て行った新にふくれっ面の霧那は、自販機に向かった

霧那「誰なの？あの人」

新「俺に聞くな」

ーーーーー
ーーー
ー

『…完治…したはずですよね？』

？「ああ…」

『なのに…』

？「…今すぐにとは言わない、だが、これを放っておくのはまず危険だ」

男性はテーブルの上に、1枚の紙を出した
その紙には…

『…脳腫瘍…、か』

ははは……と乾いた笑いが病室の中に響き渡る

『血管芽腫…ですよね…？私が前に病気になったの…』

？「ああ…そして今回も…」

『前と同じ…か』

紙をテーブルの上に置いた音風は、眉を落とし涙を流した

『先生…私、生きたいんです…っ‼まだ死にたくない‼また治して‼お願い…っ！生きがいなんです…この仕事が…‼』

？「……必ず治す」

男性は立ち上がり、病室を後にする
残された音風は、涙を流しながらベットの布団にくるまった

『お願い……先生っ‼

藍沢先生…‼』

ーーーーーーーーーー
コードブルー入れてみました‼