81話 リーの勘 ページ17
リー「んで?」
涼太「ん?」
リー「「ん?」じゃない、音風から返事「ゴホッゴホッ‼」きったな」
涼太「いきなり何言って‼「その様子だとまだみたいだね」……」
音風が出て行った店内には買い出しから戻った梓と、他の客の接客に明け暮れる安室がいた
リー「ま、いいけどさ」
涼太「…別に、返事が欲しいとかそんなのいいんだ」
リー「あれ、告る前に僕に連絡して、相談して来たのはどこのどいつだった?」
涼太「るっせー、だって…困らせたくないだろ」
リー「こんの、お人好し」
涼太「言ってろ」
アイスコーヒーを飲みながら涼太の頭をガシガシと撫で始めた
涼太「オレが結果を求めたらあいつは困る…そんなの嫌なんだよ…」
リー「ま、あの子は考えてないようでしっかり考えてる…アンタがアメリカから帰国したって事は…本気で返事を聞きに来たって思ったんじゃない?」
涼太「だといいけどさ…」
リー「自信持ちなって、アンタ、何年親友やって来たのさ」
涼太「…24年ぐらい」
リー「人生の半分はアンタあの子と過ごしてんだからさ、もうちょい自信持ちなさい」
涼太「うん…」
音風の事になるとてんでダメになる涼太に、リーは力強く応援した
リー「ま、結果がどうであれ、アンタはちゃんと受け止めてあげな…あの子はアンタが傷つかないように考えまくって返事するだろうから」
涼太「ああ…」
リー「悩んでるのはあの子だけじゃない、アンタもなんだから」
涼太「うん」
リー「彼女欲しいんなら僕が誰か紹介してあげるよ!」
涼太「オメエもお人好しじゃないか」
リー「何言ってんだよ!幼馴染の恋を応援してやって、振られた時に慰めてやらないと」
涼太「まだ振られたと決まったわけじゃねぇ」
リー「だな」
アイスコーヒーを飲み干したリーは、安室をチラリと盗み見た
そして、フッと頬を緩ませた
涼太「ん?何笑ってんだ?」
リー「いーや?噂通りの人だなあって」
涼太「?お前ここに来たの初めてだろ?」
リー「仕事でね」
涼太「……相変わらずだな、お前んとこは」
リー「ひひっ!」
涼太「ま、気長に返事は待つ予定だし」
リー「それがいいよ…(涼太、悪いけど、僕はこの告白の結末はわかるよ…)」
涼太「うわっ、うまそ」
リー(あの子は…本気で今、彼に恋してる…小さな頃から見てきた僕の目はごまかせない…でも、本人は自覚なしだからね…)
リーはテキパキと働いている安室を見てそう思ったのだった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年9月23日 21時