検索窓
今日:7 hit、昨日:32 hit、合計:76,150 hit

60話 さざ波の魔法使い ページ42

世良を連れて浜辺に戻った赤井達は、犯人を名指し始めた
その脇では優作に電話をしていた有希子がいた

「ビーチサンダルを買ったと言っている…北森靖絵さん…海に落ちた車に乗っていたのはあんたですよね?」

(あ、あんた…)

赤井の指名の仕方に呆れた音風は頬をひくつかせた

「え、ウソ…」

《ん?そんなに意外か?》

「あ、いや…浜辺にいた若い男があなたと同じ事言ってて…」

「ちょ、ちょっと待ってよ!何でビーサン買っただけでそうなっちゃうわけ?私のこの格好見てみなさいよ!どっからどー見ても海水浴客でしょーが!」

「確かにそうだ…あんたが付けているソレが…本当に水着ならね…」

「み、水着じゃないのかね?」

マジマジと見始めた刑事に音風は『ヴヴン!』と咳払いした

「ええ、多分…」

そんな音風を見た赤井はフッと頬を緩ませた

「水没した車から脱出した時はズボンかスカートを穿いていたが…水面から顔を出したらそこは、海水浴場…そのまま海から上がれば車の同乗者だとバレてしまう…だから穿いていたズボンかスカートを海中で脱いで首に巻いていたスカーフをパレオのように腰に巻き…Tシャツのスソを絞って海水浴客を装ったんですよ…」

「でもさー、他の男2人がそうだっあかもしれないじゃん!海の家で服、買ってるし…女の人はビーサンしか買ってないしさー」

指をさした新一に音風が答えた

『ううん、正確に言ったらビーチサンダルしか買えなかっんだよ。財布が海水に浸かってお札が濡れちゃって、小銭しか使えなかったからね』

「だからぐっしょり濡れた靴と脱いでワンコインで買えるビーチサンダルを買った彼女が…犯人だと思ったわけさ…」

『見ての通り。波打ち際でない限り、この砂浜は熱くて裸足では歩けないし、まぁ、濡れたお札を強引に使う手もあるけど、そんなお客さん、海の家の店員さんに覚えられちゃうし、海の家でクレジットカードが使えるとも思えないからね』

「し、しかし女性なら濡れてもいいサンダルを元々履いてたって場合も…」

「忘れたんですか?車に乗っていたのは強盗犯なんですよ?しかも強盗事件が起きたのは車が海に落ちる少し前で現在逃亡中だったなら…わざわざ走りにくいサンダルに履き替えるとは考えにくい…ですよね?北森さん、どうせ偽名でしょうけど…」

60-2→←59-4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
42人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

サッカーバカ(プロフ) - Mahoさん» !誤字脱字ですね、本当にすみません!ご指摘ありがとうございます! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 60話でした (2018年9月23日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 60‐1のところお初が濡れちゃって→お札が濡れちゃってではありませんか? (2018年9月23日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:サッカーバカ | 作成日時:2018年9月21日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。