59話 さざ波の捜査官 ページ38
「く、車が…」
「海に落ちた!?」
「マ、マジかよ!?」
音風と赤井は客達をかき分けてすぐに海に飛び込んだ
泳ぎが得意な音風は車めがけてぐんぐんと泳いでいく
赤井もその後を追うが、全く追いつけない
車のドアの前まできた音風はドアを開けようにも、子どもの力では開けられない
すぐに赤井が手伝い、車内を見る
音風は反対側のドアの窓から車内に入り、中を見回す
(車がガードレールに激突した弾みでフロントガラスに頭を強打している…シートベルトをしていなかったのか…首の骨も折れているようだ…もう助からんな)
(お兄さん！)
(ん？)
音風が赤井の肩をトントンと叩き、後部座席をクイクイと指で指した
目を後部座席に移すと、バッグが置いてあった
(ブランド物の腕時計が大量に…まだ値札がついてるな…助手席側のサイドウインドウが開いている…なるほど、お嬢ちゃんはそこから車内に入ったわけか…どうやら乗客は…もう1人いたようだな)
バッグから少し出ている腕時計に指紋がつかないようにバッグに詰めている音風を見た赤井は、フッと微笑み、男を担いで水上に向かう
ザパッと2人で海面から飛び出すと、蘭と世良がニコニコしていた
「あー、お兄さんと音風姉が戻って来た！」
『ふぅ…』
海から上がった2人は、男を横に寝かせた
「ねぇ…その人助かるの？」
「その可能性はもうない…」
「ん？姉ちゃん、そのバッグは？」
『この男の人が何者かを探る為の手掛かりだよ、それよりも新一、海の家で水着とか売っているコーナーがあるでしょ？そこに行って、車が落ちた後、ずぶ濡れでＴシャツや水着、ビーチサンダルとかを買いに来た人がいないか聞いてきてくれない？』
「え？」
鋭い眼光で海の家を睨みつけている姉に新一は少し戸惑った
「どうやら車にはもう1人乗っていて、車から抜け出し…海水浴客に紛れ込んでいるようだ…できるか？ホームズの弟子くん？」
「うん、もちろん！」
赤井と音風に言われた通りに新一は海の家に向かった
「キミはここへあのボウヤとこのお嬢ちゃんと3人で来たのかい？」
「ううん、新一と音風姉のお母さんと一緒だよ？」
『母さんなら多分そこら辺をうろついてると思います』
「じゃあそのお母さんに警察に電話するように言ってくれないか？車が海に落ちて大変だって…」
「いいよー！」
『お願いね！』
「うん！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サッカーバカ(プロフ) - Mahoさん» ！誤字脱字ですね、本当にすみません！ご指摘ありがとうございます！ (2018年9月23日 23時) (
レス) id: 7487ed3f06 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 60話でした (2018年9月23日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 60‐1のところお初が濡れちゃって→お札が濡れちゃってではありませんか？ (2018年9月23日 23時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2018年9月21日 20時
