落としたけりゃ思い出せや

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『炭治郎、善逸…』









2人も怒っていて、女子たちは涙を浮かべている









「悪いが、奏多が今まで大目に見てきた…。でもね、奏多が大切な人から褒めてもらった大事な髪の毛に」

「手を出したら…流石に女の子に甘い俺でも許せないかな？」









怒るときは怒る







善逸はそう言う奴だ









「だ、だってそいつは…」

「あのな…。奏多は俺たちよりも立派で尊敬しているんだ
それに、俺の大切な親友で、1番すごい人なんだよ」

「炭治郎ってさ、奏多のことすっごく大事にしてるの。まぁ、俺もなんだけどさ…育手が死んだ時もさ、俺のために色々としてくれたんだよね…
俺か悩んでたら手を貸してくれたし、同じ呼吸だからって」

「てめェらみたいな奴らが絡んでいい奴じゃねぇ
俺の子分いじめて、無事で済むと思うなよ…？それに、奏多は人殺しじゃねぇ…………もしあの時、奏多がお前らを助けてなかったら、お前らこの世にいなかったんだぞ」









私でもゾッとする伊之助の睨み









女子たちは怖すぎてポロポロと泣いている









「あらあら…伊之助君、炭治郎君、善逸君、そろそろそれぐらいにしませんか？」

「しのぶさん！」

「元より、奏多さんの髪の毛を切ろうとしたのは許せませんが、もう冨岡先生には伝わっていますし、親御さんたちにも連絡がいっていますよ」









相変わらず、しのぶさんは手が早い









それから女子たちは謹慎処分に反省文、私はと言うと、人殺し騒動が消えるまで昼間の任務に没頭する羽目となった









《鳴柱様、そちらに向かいました》

『了解』









小さく答えて、電柱から飛び降りて鬼に向かう









宇髄さんが好きだと言ってくれた髪の毛は、風になびいてキラキラとしている









あぁ、切られなくてよかった









思い出した時、褒めて欲しい








でも、思い出して欲しくない









(あんたの幸せを)









“奏多…!!”









(誰よりも願ってる)









『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』

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