元殺し屋はヒーローになる25 (ページ35)

今日:13 hit、昨日:3 hit、合計:19,134 hit

201話瓦解ページ35

(あれからずっと干渉も、なかったのに…！)

(緊急時以外にしないのに…！)

青子が轟の手を取り、指を絡める
突然のことに驚く轟だが、尋常じゃないぐらいの汗をかく青子に只事ではないことを感じ取り、「青子、立てるか？一旦、休憩を」と支えて立ち上がろうとした時、青子はゆっくりと緑谷を見た

“揺り戻しがくる。長くは話せない”

「デクくん…？青子ちゃん…？」

“人の枷から解き放たれし、力の膨張。超越者が、来るぞ…！そこから、逃げろ!!”

緑谷とともに蛇腔病院を振り返る。私を忌々しき7年もの間苦しめたあの魔物の巣食う城
そこから感じる何か。その何かがこれから何かを起こすというのなら、私たちは…

ー郡訝山荘ー

常闇が必死にホークスを運び続けている頃、常闇やヒーロー達によって退路を絶たれた地下にいた解放軍たち

「脚のスペアはまだか!?」

両足のスペアが壊れた、リ・デストロ。デストロは以前、青子を勧誘していた。病室にまで現れた上に、泥花市に招き入れると壮大に歓迎したものの、青子は一蹴した

「リ・デストロ」

「なんだ！」

「立ってます…！」

ダークシャドウが化物だと、ファットガムが大将の命令でないと動かないと言っていたはずの巨体を持つ者が、立ち上がったのだ

「主の匂い」

ー蛇腔病院ー

「寒い」

体が跳ねて起き上がり、心臓が動き出した死柄木弔は、静かに、短く、そう発すると同時に動き出した

殻木を抱えていたプレゼント・マイクが相澤達のいる手前の部屋まで戻ってくると、バカッと目の前で崩壊が起きていた

逃げることができず固まっていると、グラントリノが殻木とプレゼント・マイクを抱えて飛び去っていく

(死柄木の「崩壊」…いやしかし、接触するモノに伝播して…！唯一、情報のなかった「死柄木の強化」内容…!!)

この状況を瞬時に察したグラントリノは戦っているヒーローたちに、「全員退避!!」と叫び逃げる

「ヒビに触れるな!! 死ぬぞ!!!」

ザァザァと森が動き揺れ、鳥達が飛び去り、静けさと不気味さを伝えてくる中、青子は体をゆっくりと起き上がらせ立ち上がった

2人「病院が」

緑谷と青子の声に、その言葉を聞いたA組が振り返る