元殺し屋はヒーローになる25 (ページ17)

今日:10 hit、昨日:13 hit、合計:19,144 hit

195話絆されてるページ17

「!?」

「気にすな。ソレ(・・)は動かん…らしい！
敵さんの大将の命令やないと動かへんのやと。で、その大将は今お休み中らしいわ。戻るで！後衛まで腹入りィ！」

ファットガムの腹の中に収まった常闇は、そのまま運ばれるようにファットガムに任せた

「情報が精細すぎやしませんか…!?」

「ホークスが“調査”で掴んだらしいで」

「ホークスが…!?」

「俺も詳しくは知らんけどな。恐らく、今もどっかにおるんやないか」

そう言われて混沌の中の建物を振り返った。セメントスやサウンドズのおかげで崩壊していく中、常闇はインターンでホークスが言った言葉を思い出す

“後進育成とかする気ないんだけどさ。弱点の近距離カバーに尽力もいいけど、“得意”を伸ばすことも忘れない方がいい”

言われた通り、常闇は得意も不得意も伸ばした

常闇はもっと強いヒーローになると誓った

(師(ホークス)、今ここにいるのなら。あなたにまた見てほしいな)

ーその頃・ホークスー

大量に出した自分の分身をホークスと青子に向けた分倍河原だったが、ものの数秒もせずして全て消されていく
地面に手をつき、鋭く尖った地面を棘に変化させた青子も、分倍河原の分身を突き刺した

『生成速度は目を見張るものがあるって言ってたけど、お前…遅いね』

(速すぎて…)

『倍々で増やしていくにつれて耐久力も低くなってるし、同じ大雨覆で攻撃して解けるのとそうでないのがあるけど、お前…弱いね』

(見えない)

ドロォッと解けていく分倍河原の分身を見ながら冷えた青い瞳を向ける
もはや情も慈悲もない。ただ目の前にいるのは、犯罪者であること

「ここまでやってきて、絆されるようなミスはしない」

『大人しく同行してくれれば、まだやりようはあったけど…まあ、仕方ないよね。お前は、犯罪者だし』

「俺はあなたのこと好きでしたし」

コツンと肩を鳴らして歩く青子に分倍河原はさらに連合の分身を作り出した

「俺の仲間はこいつらだけだ！土足で入ってくんじゃねえ!!」

『人の心に土足で入り込んでおいて、自分の心には土足で入るなって？…身勝手だな、お前』

全て出し切る前に全て青子によって消されてしまった分倍河原は、「無駄だ、屑が!! 屑野郎が!!」と叫ぶ