元殺し屋はヒーローになる25 (ページ14)

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ビィンと指を弾いた上鳴が「いっつつ…」と指を口に咥えて痛みを和らげるようにした
耳郎から借りたギターの練習をしているところで『今日はやめておく？』と同じくギターを抱えて聞いた青子に上鳴は首を横に振った

「もうちょいやるっしょ」

『へぇー、珍しい。なに、真面目くんじゃん』

ポロンと綺麗な音を出した青子に「だってさ」と上鳴は痛めて赤くなった指を弦に添えた

「耳郎、あいつ。恥ずかしそうにしてっけど、音楽クソ好きじゃん！」

『まあ』

「いーモンにしてやりたくね!?」

『…同感』

(お前は、心の底から、友を想う男だ)

上鳴という男を知っている常闇だからこそ、わかるのだ
上鳴は、大事な時にこそいつも以上に限界を超えて行く

「制圧放電雷網!!」

「雷奏(らいそう)…飛来電(ひらいでん)!!」

「！」

バチチッと放たれた放電全てが吸われて行く

「ハイ、幹部一名無力化成功！
後衛(うしろ)に心配かけねーためにも、皆さんパパッとやっちゃって！」

「みんなぁぁぁあ!! 早く行ってーーーーっ!!!」

バリリッと体に電気を帯びさせていくライジングの叫びに「最高だよ、チャージ！ライジング！」とサムズアップするセメントス

「あざぁぁっす!!」

「いいから行って〜〜〜〜!!?」

「「帯電」…といったところか。だが果たして何百万Vまで耐えられる」

「〜ッキンッグ〜〜〜〜!!!!」

「なっははははははは!! いいぞ、ライジング!! そのまま続けてろ!!」

飛び上がったキングは腕を大きく振りかぶった。ムクムクと形を変えたその腕は鋭い爪を持ち、敵に容赦なく振るった

「ヒーロー・キング様のお通りじゃ!! 道を、開けろ弱味噌どもが!!!」

「バーニング!!」

「わかってる!! 道を開けてくれ!!」

キングと共に突っ込んでいく中、「大人しくしていてくれ！」と容赦なく敵をぶん殴っていく

「俺たちは、キミたちと争いたくない!!」

「口と行動が逆やな」

ファットガムに突っ込まれながらも「うおおおおお！」と叫びながら飛び込んでいくキングとバーニング

他のヒーローたちも、飛び込んでいく中…崩れる部屋の中では、あるヒーローがいた

「どうなってんだよ…なァ………！」